GSOMIAの延期、東北アジア地域の緊張緩和につながる

(VOVWORLD) -23日午前零時の失効が迫ったGSOMIA(ジーソミア)=日韓の軍事情報包括保護協定を巡り、韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は22日、このまま破棄するかどうかの最終決定をしました。

日本と韓国の両政府が安全保障に関する情報を共有・保護するためのジーソミアは2016年11月に締結されました。日韓の防衛当局が持つ映像や文書、技術を「秘密軍事情報」と定義し、主に朝鮮民主主義人民共和国の核・ミサイルに関する情報を扱います。

協定締結前はアメリカを介して両国の情報を共有していたが、締結後は直接のやりとりが可能となりました。朝鮮民主主義人民共和国が発射する弾道ミサイルのレーダー情報やミサイルの発射準備情報などを共有します。情報に接する職員は限定されており、協定は毎年、自動更新される仕組みで、破棄する場合は更新期限の90日前にあたる毎年8月24日までに相手国へ通知する義務があります。

GSOMIAの失効が迫る中、アメリカ議会上院は、21日、失効が迫るGSOMIAの重要性を訴える決議を全会一致で可決しました。決議では、GSOMIAがアメリカと同盟国の国益を守るのに欠かせないとしたうえで、失効すれば、アメリカの安全保障に直接、悪影響を及ぼすなどとして、GSOMIAを維持する必要があるとしていました。

決議には法的な拘束力はありませんが、議会上院としては日韓関係の悪化に懸念を示し、韓国にGSOMIAの維持を求めるとともに、日韓両国に問題の解決に向けた対話を促すのがねらいです。

外交部によりますと、名古屋で開催されたG20=主要20か国・地域外相会合に出席するため日本を訪れた康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は23日、茂木敏充外相と会談し、来月下旬に成都で予定される韓日中首脳会談にあわせて、韓日首脳会談を開催する方向で調整することが決まりました。

GSOMIAの事実上の延長で日本と韓国の緊張関係を緩和する可能性があると評されています。

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