（NHK）財政難に陥っているギリシャで行われた議会選挙で、チプラス前首相が率いる与党は半数近い議席を獲得し、今後、国民の支持をよりどころに、ドイツに債務負担の軽減を求めるなど強気の姿勢を打ち出すのではとの見方も出ています。
２０日に行われたギリシャの議会選挙の開票作業はほぼ終わり、チプラス前首相率いる「急進左派連合」が、３５％余りの得票で定数の半数近い１４５議席を獲得しました。
チプラス氏は反緊縮の公約を守らなかったとして批判にさらされていましたが、予想を上回る支持を集め、勝利演説では「国の内外で戦い続ける負託を与えられ た。国民の誇りを取り戻してみせる」と述べ、政権運営に強い意欲を示しました。そして、保守系の「独立ギリシャ人党」と再び連立を組む考えを示し、早けれ ば２２日にも連立政権が発足する見通しになりました。チプラス氏はＥＵ＝ヨーロッパ連合との交渉の末、１２兆円近い支援と引き換えに年金改革などの財政緊縮策の実施を受け入れましたが、今回、国民の支持をよりどころにドイツに債務負担の軽減を改めて求めるなど、再び強気の姿勢を打ち出すのではとの見方も出ています。
また、中東などからの流入に歯止めがかからない難民や移民への対処など課題は山積みで、再スタートを切るチプラス政権が、こうした難題にどう取り組むのかが問われています。