（写真：Twitter/KSAMOFA）

サウジの王子の宮殿で１９８９年、タイ人労働者が２０００万ドル（約２２億８０００万円）超の価値があるといわれる宝石類を盗んだ事件で両国関係が悪化して以降、タイ首相のサウジ訪問は初めてです。双方は会談後の共同声明で、関係正常化に合意したことを明らかにしました。

事件では、世界的に希少な５０カラットのブルーダイヤモンドを含む宝石多数が盗まれました。タイ当局は後に、一部宝石類の返却に応じましたが、サウジ側は「ほとんどが偽物」と主張しました。今もブルーダイヤを含む大半の行方が分かっていません。
９０年にはタイで事件を調べていたサウジ人実業家が行方不明になったほか、サウジ外交官３人が殺害されました。反発したサウジは臨時代理大使級に外交関係を格下げし、タイ人出稼ぎ労働者へのビザの発給や更新を停止するなど、双方の関係は冷え込んでいました。（時事）