シリア「安全地帯」創設で覚書 ロシアなど、米と修復図る

【日経】内戦が続くシリア情勢を巡り、ロシア、イラン、トルコの3カ国は避難民保護などを目的とした「安全地帯」の創設で合意しました。
シリア「安全地帯」創設で覚書 ロシアなど、米と修復図る - ảnh 1   シリアにおけるロシア戦闘機(写真:AP)

4日にカザフスタンの首都アスタナで開いた和平会議で3カ国代表が覚書を交わしました。安全地帯の創設はアメリカのトランプ大統領が提案していた構想です。ロシアは自らが主導する和平プロセスにアメリカを取り込み、シリア問題で悪化した米ロ関係の修復の糸口を探ります。

覚書によりますと、安全地帯はアサド政権軍と反体制派の戦闘が続く北西部イドリブ県など4カ所に設定しました。半年にわたり空域を含めてあらゆる戦闘行為が禁じられます。

帰還する避難民や人道支援要員のための入域地点も設けます。停戦監視を目的としたロシアや外国の部隊の駐留も可能とします。2週間以内に関係国の代表を交えた作業部会を立ち上げ、6月4日までに安全地帯の区域を画定する方針です。

ロシアのラブロフ外相は4日、今回の合意はアサド政権も支持しており「停戦の強化に向けた重要なステップだ」と評価しました。イラン外務省高官も合意はトルコを後ろ盾とする反体制派勢力も拘束すると語りました。

プーチン大統領は安全地帯の構想実現に向け、今週に入って外交攻勢を加速しました。2日にはトラン大統領と電話し、構想への一定の理解を取り付けました。3日にはトルコのエルドアン大統領と会談し、4日の覚書調印の地ならしをしました。

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