(NHK)シリアで支配地域を広げてきたクルド人勢力に対し、警戒を強める隣国のトルコが軍事作戦に乗り出し、シリアの内戦の構図がより複雑になることで、こう着したままの和平協議が一層難航することが懸念されます。
トルコの兵士(写真: AFP/TTXVN)) |
トルコ軍は20日、声明を出し、「国境地帯の治安を守るため」として、シリア国内のクルド人勢力に対する軍事作戦を始めたことを明らかにしました。
地元メディアによりますと、シリア北部の都市アフリン周辺にあるクルド人勢力の拠点100か所余りにトルコ軍が空爆と砲撃を行い、クルド人勢力もこれに応戦しています。シリアのクルド人勢力は、アメリカの支援を受けて過激派組織IS=イスラミックステートの掃討作戦で活躍する一方、内戦の混乱に乗じる形で一方的に自治を宣言し、トルコと接する北部の国境地帯で支配地域を広げてきました。
これに対してトルコは、この勢力が自国内のクルド人武装組織とつながっていて、アメリカが供給してきた武器がトルコへの攻撃に流用されるおそれがあるなどと警戒を強めていました。
新たな戦闘が始まったことで、6年以上続くシリアの内戦の構図がより複雑になり、こう着したままの和平協議が一層難航することが懸念されます。