韓国事故機の「ブラックボックス」、墜落4分前に停止
(VOVWORLD) - 韓国南西部の務安(ムアン)国際空港で昨年12月29日に発生した旅客機事故で、回収されたフライトレコーダーとボイスレコーダーが、機体が胴体着陸する数分前に停止していたことが分かりました。捜査関係者が11日に明らかにしました。
2025年1月4日、韓国南西部の務安(ムアン)国際空港で発生したチェジュ航空機の事故現場(写真:Yonhap/TTXVN) |
この事故では、乗客・乗員179人が死亡し、生存者はわずか2人でした。韓国では過去30年近くで最悪の航空機事故とされています。機体は胴体着陸後、滑走路上で大破・炎上しました。
「ブラックボックス」と呼ばれる機体の記録装置からは、済州(チェジュ)航空機が胴体着陸に至った原因を解明する情報が得られると期待されていました。しかし、韓国運輸省は11日、コックピット内のやり取りを記録するボイスレコーダーおよび飛行データを記録するフライトレコーダーが、墜落の約4分前に停止していたことを発表しました。
同省は声明で、両装置が停止した理由は不明であるとし、原因究明に向けたさらなる調査を進める方針を示しました。
フライトレコーダーおよびボイスレコーダーからの情報が得られないものの、事故原因を特定するための捜査は引き続き様々なデータの調査と分析を通じて行われる予定です。
ボイスレコーダーは当初韓国内で分析され、その後、情報の照合を目的にアメリカに送られました。一方、フライトレコーダーは破損が著しく、韓国内でのデータ抽出が困難と判断され、アメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)に送られ解析が行われています。
アメリカのニュース専門テレビCNNは、この件に関してNTSBにコメントを求めていると報じています。(CNN.co.jp)