バイデン大統領 保守の傾向強める最高裁を非難 改革案を公表
(VOVWORLD) - アメリカのバイデン大統領は保守的な傾向を強めている連邦最高裁判所をめぐり、現在は終身制となっている判事に任期を設けるなどの改革案を公表しました。
2024年7月29日、南部テキサス州で演説するアメリカのバイデン大統領(ロイター) |
アメリカのバイデン大統領は29日、南部テキサス州で演説し、連邦最高裁判所が2022年に人工妊娠中絶は憲法で保障された権利だとする判断を覆すなど、保守的な傾向を強めていることを挙げ「この数年、最高裁が示してきた極端な判断は、長く確立されてきた公民権の原則と保護を根底から覆してきた」などと非難し、改革案を公表しました。
現在、最高裁はトランプ前大統領が在任中に3人の保守派の判事を指名したことで、9人中6人が保守派となっています。
終身制となっている9人の判事について、改革案では任期を18年とし、大統領が2年ごとに1人ずつ指名して交代するとしています。
また、一部の判事が共和党の大口献金者から旅行などの接待を受けていた疑いがあることから、拘束力のある行動や倫理の規則を設けるよう求めています。
さらに、最高裁が今月、トランプ氏に対して大統領在任中の公務については刑事責任は免責されるという判断を示したことを受けて、在任中でも犯罪行為にはいかなる免責も認めないよう、憲法を改正することを求めています。
ただこれらの改革案について、野党・共和党のジョンソン下院議長は声明で「即座に廃案にする」と反発しています。
上下両院で与野党の勢力がきっ抗する中、バイデン政権下での実現は難しいとみられていますが、民主党としては大統領選挙に向けて改革の姿勢を示し、アピールにつなげたいねらいとみられます。(NHK)