ブラジル、財政再建へ歳出抑制 議会が法案可決

【サンパウロ=宮本英威】ブラジル議会は13日、連邦政府の歳出に上限を設ける憲法改正案を可決しました。2017年から20年間の予算での歳出額の増加率を、前年の消費者物価上昇率よりも低い比率とします。資源安や社会保障支出の増加などによる同国の財政悪化を受けた措置で、8月に発足したテメル政権が投資家の信頼を回復するための重点施策に掲げていました。

上院が13日、53対16の賛成多数で可決しました。すでに上下院で必要な複数回の可決を経ており、この日の投票で法改正が確定しました。10年目以降には大統領の法案提出によって、計算方法などを変更する可能性もあります。

メイレレス財務相によりますと、労働党政権下の08~15年の歳出は平均でインフレ率を6%以上上回る増加率でした。基礎的財政収支は14年以降は赤字の状態が続いています。

教育や健康といった分野への支出が抑えられる可能性があるため、首都ブラジリアの議会周辺などで労組による抗議活動もありました。

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