ジョハール・ツァルナエフ被告 (写真提供:AFP)
(NHK)おととし、アメリカのボストンマラソンの会場で起きた爆破テロ事件を巡り、罪に問われたチェチェン系アメリカ人の男に対し、ボストンの連邦地方裁判所は死刑を言い渡しました。
チェチェン系アメリカ人のジョハール・ツァルナエフ被告(21)は、おととし4月、アメリカ東部ボストンのマラソン会場で当時26歳だった兄とともに2つ の爆発物を爆発させ、8歳の子どもを含む3人を死亡させたほか、逃走中に警察官を殺害したとして、大量破壊が可能な武器を使った罪など合わせて30の罪に 問われました。
24日、ボストンの連邦地方裁判所で、判決の言い渡しを前に事件の被害者やその家族が意見を述べ、「卑劣な行為だ」とか「生活が一変し、今も苦しんでいる」などと被告を厳しく非難しました。
これに対し、ツァルナエフ被告は裁判で初めて発言し、「申し訳ないことをした。皆さんの傷が癒えるよう、アラーに祈る」と謝罪のことばを述べました。このあと、裁判所は陪審の評決どおり死刑を言い渡しました。
ツァルナエフ被告の弁護団は死刑は重すぎると主張していることから、被告側は判決を不服として控訴するものとみられます。
一方、一部の被害者は記者会見を開き、「なぜ事件を起こしたのか被告は何も語っていない」と述べ、犯行の動機が明らかになっていないことに不満を表明しました。