中国首相と豪首相が会談 安保分野など 対話通じ関係安定化へ
(VOVWORLD) -中国の李強首相は17日、訪問先のオーストラリアでアルバニージー首相と会談し、意見の隔たりがある安全保障などの分野についても対話を通じて関係の安定化を図ることで一致しました。
会談のあと両首相は、貿易や気候変動、それに観光などの分野で協力を強化する5つの覚書の署名に立ち会い、来年も会談を行うことで合意しました。
共同記者発表ではアルバニージー首相が中国がオーストラリアからの輸入品に課していた高い関税を撤廃した意義を強調し、李首相も「世界のサプライチェーンの安定をともに守る」と述べ、経済分野で協力関係を強化する考えを示しました。
一方、両国が対立する安全保障などをめぐって、アルバニージー首相は、軍どうしのコミュニケーションの改善や、中国でスパイの罪に問われ、執行猶予付きの死刑が言い渡されたオーストラリア国籍の作家、ヤン・ヘンジュン氏についても意見を交わしたとしています。
李首相は「意見の隔たりのある問題について率直な意見交換を行い、適切に管理すべきだ」と述べ、対話を通じて関係の安定化を図ることで一致したということです。
また、李首相は16日、南部アデレードの動物園を訪れ、ジャイアントパンダ2頭を新たに貸し出すことを明らかにしました。
両国関係は新型コロナウイルスの発生源の調査をめぐって悪化していましたが、中国としてはオーストラリアとの関係を改善することで、同盟国のアメリカをけん制するねらいがあるとみられます。(NHK)