中国・EU首脳が会談 欧州委員長「貿易関係は転換点に」

(VOVWORLD) - 中国を訪問中のEU=欧州連合のフォンデアライエン欧州委員会委員長は24日、北京の人民大会堂で中国の習近平国家主席と会談しました。
中国・EU首脳が会談 欧州委員長「貿易関係は転換点に」 - ảnh 1第25回中国・EU首脳会議、2025年7月24日に中国・北京で開催される(写真:ANDRES MARTINEZ CASARES/REUTERS)

会談のあと、フォンデアライエン委員長は記者会見を行い、中国との貿易関係について「明確な転換点にある」との認識を示し、両国の懸念を率直に伝えたうえで、部分的に解決策も見出せたと述べました。

また、アメリカとの通商交渉との関係については、「EUはまず交渉による解決を目指すが、必要であればあらゆる手段も検討する」との考えを示しました。

ウクライナ情勢についても協議が行われ、EU側は中国に対して、ロシアに停戦を働きかけるよう期待を表明しました。フォンデアライエン委員長は、「流血を終わらせるために、停戦と交渉による解決への意志が重要だ」と強調しました。

双方はこのほか、気候変動対策に関する共同声明も発出し、経済全体にわたる新たな行動計画に取り組む姿勢を改めて確認しました。

中国側の国営新華社通信によりますと、習主席は会談で「欧州が直面する課題は中国に起因するものではない」と述べ、対立ではなく協力の姿勢を堅持するようEUに求めました。また、「壁や要塞を築いても競争力は高まらず、分断は孤立を招くだけだ」と警鐘を鳴らしました。

習主席はさらに、EUに対して貿易・投資市場の開放を継続し、制限的な経済手段を控えるよう呼びかけました。

昨年、EUの対中貿易赤字は3058億ユーロにのぼり、フォンデアライエン委員長は「協力が深まる一方で不均衡も拡大した。関係の再均衡が必要だ」と述べ、両者が懸念を共有し、真の解決策を提示することが極めて重要だと訴えました。

一方、中国中央テレビによりますと、習主席は「国際情勢が厳しくなる中でこそ、意思疎通と信頼を深めることが重要だ」とし、EUに対し「正しい戦略的選択」をするよう呼びかけました。

今回の会談は中国とEUの外交関係樹立50周年を記念して行われましたが、日程は当初の予定から短縮され、中国と欧州の間にある緊張感もうかがえる形となりました。

今後、電気自動車や中国の過剰生産能力といった懸案も含め、双方がどのように関係の再構築を図っていくかが注目されます。(ロイター)

ご感想

他の情報