中豪首脳会談 安全保障で立場の違いも経済面の関係改善で一致
(VOVWORLD) - オーストラリアのアルバニージー首相と中国の習近平国家主席が6日夜、北京で会談し、安全保障面での立場の違いを認めながらも、貿易など経済面での関係改善を進めることで一致しました。
オーストラリアのアルバニージー首相(左)と中国の習近平国家主席=ロイター |
オーストラリアのアルバニージー首相は、今月4日からオーストラリアの首相としては7年ぶりに中国を訪れていて、6日夜、北京で習近平国家主席と会談しました。
この中で習主席は両国関係について「改善と発展に向けた正しい道を歩み始めた。両国には歴史問題や根本的な利益の衝突がなく、完全に互いが信頼を寄せるパートナーとなりえる」と述べ、経済分野を中心にした関係改善に意欲を示しました。
一方で、習主席は「『小さなグループ』を作っても国際社会が直面する困難は解決できない。アジア太平洋地域を混乱に陥れようとするたくらみに対してわれわれは警告し反対する」と述べ、安全保障の分野でアメリカなどと連携を深めるオーストラリア側をけん制しました。
会談のあとアルバニージー首相は、台湾の現状を維持することが必要だというオーストラリアの立場を改めて表明したうえで、「両国が安定した関係に戻ったことで、貿易も回復していることを歓迎した。これは両国にとって大切なことだ」と述べ、安全保障面での違いを認めながらも貿易など経済面での関係改善を進めることで一致したと強調しました。
またアルバニージー首相によりますと、習主席は会談の中でTPP=環太平洋パートナーシップ協定への加入に改めて意欲を示したということで、中国側には参加国のオーストラリアとの関係改善で加入への支持を得たい思惑もあるものとみられます。(NHK)