(NHK)フランスのマクロン大統領は、労働組合などが強く反対している改正労働法を施行するための手続きを進め、支持率が落ち込む中でも選挙公約に掲げた改革をあくまで断行する姿勢を示しました。
(写真:THX/TTXVN) |
フランス政府は、およそ10%と高止まりする失業率の改善に向けて、先月、労働法の改正案を取りまとめ、22日に閣議での承認を経て、マクロン大統領が関連の文書に署名し、これによって改正労働法は近く施行されることになりました。
この中では、不当な解雇に対する労働者への賠償金に上限を設けたり、労働組合のない中小企業で給与などの労働条件を経営者側が従業員と直接、協議することを可能にしたりすることが盛り込まれていて、企業に雇用を促す狙いがあります。
しかし労働組合は「従業員を解雇しやすくするものだ」などと反発していて、今月に入り、各地で大規模な抗議デモを行っています。また、野党側からも「手法が強引で非民主的だ」などと批判の声が出ていて、ことし春の大統領選挙で争った急進左派のメランション氏は、23日に大規模な抗議行動を呼びかけています。
マクロン大統領としては、世論調査の支持率が40%台に落ち込む中でも選挙公約に掲げた改革をあくまで断行する姿勢を示した形ですが、フランスで24日に行われる議会上院の選挙やその後の政権運営にどのような影響を与えるのか注目されます。