国連事務総長 アレッポめぐる安保理不一致を批判

(NHK)シリアのアサド政権が、ほぼ全域を制圧したアレッポの情勢をめぐり国連の安全保障理事会が緊急の会合を開き、パン・ギムン(潘基文)事務総長は、多くの市民が殺害されているとしたうえで、戦闘の沈静化のため一致した対応をとれなかった安保理を批判しました。

緊急会合でパン・ギムン事務総長は、アサド政権側によって多くの市民が殺害されているという信用に足る報告を受けているとしたうえで、「安保理は国際社会の平和と安定という最も重要な責任を果たしてこなかった。歴史は、簡単には、われわれを許してくれないだろう」と述べて、戦闘の沈静化のため一致した対応をとれなかった安保理を批判しました。


国連事務総長 アレッポめぐる安保理不一致を批判 - ảnh 1
(写真:TTXVN)


そのうえで「緊急の課題は、虐殺を何としても止めることだ。すぐにアレッポに残っている市民の避難を許可し、人道支援が現地に届くように取り計らうよう求める」と述べ、アサド政権などに対応を求めました。

また、アメリカのパワー国連大使は、「アサド政権とロシア、イラン、それに関わる武装勢力には完全な『人権状況の崩壊』とも言える事態に責任がある」と述べて、アサド政権やロシアなどを厳しく非難しました。

一方、ロシアのチュルキン国連大使は「アレッポ東部ではシリア政府が支配を確立した」と明らかにしたうえで、アメリカの対応について、「あなたの国がこれまで何をしてきたかを考えるべきだ」と述べ、アメリカとロシアが、改めて非難の応酬を繰り広げました。

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