日本の安倍晋三首相は１４日午後（日本時間同）、オーストラリアのターンブル首相とシドニーの首相公邸で会談しました。アメリカでトランプ次期政権が２０日に発足するのを前に日米豪３カ国の連携を強化する方針を確認しました。自衛隊とオーストラリア軍の間で弾薬提供が可能となる物品役務相互提供協定（ＡＣＳＡ）改定の署名式にも立ち会いました。

両首脳は、中国の海洋進出や朝鮮民主主義人民共和国による核兵器、弾道ミサイル開発などでアジア太平洋地域の安全保障環境は厳しさを増しているとの認識を確認しました。アメリカがこの地域に関与し続けることが重要であるとして、次期米政権にアジア重視の姿勢を維持するよう求めていくことで一致しました。

また、トランプ次期米大統領が保護主義的な発言を繰り返してきたことを念頭に、環太平洋パートナーシップ協定（ＴＰＰ）を含む自由貿易の重要性についても認識を共有しています。

安倍首相のオーストラリア訪問は２０１４年１１月以来です。両首脳は会談に先立ち、シドニー湾周辺を散歩し親交を深めました。安倍首相は日豪観光セミナーにも出席し、両国の交流拡大に向け協力を呼び掛けました。