米国、ウクライナ和平協議の「進展」を歓迎 安全保証はなお課題
(VOVWORLD) - アメリカが提示した和平案を巡っては、ロシア側に大幅に譲歩した内容だとして、ウクライナや同盟国が懸念を示し、修正を求めていました。
アメリカは23日、スイス・ジュネーブで行ったウクライナ和平案に関する協議について、大きな進展があったとの認識を示しました。ただ、ロシアの脅威が懸念される中でウクライナの安全をどのように保証するかについては、合意には至りませんでした。
アメリカが提示した和平案を巡っては、ロシア側に大幅に譲歩した内容だとして、ウクライナや同盟国が懸念を示し、修正を求めていました。
ウクライナ代表団とのハイレベル協議を主導したアメリカのルビオ国務長官は、北大西洋条約機構(NATO)の役割やウクライナの安全保証などについて依然として課題が残っているとしたうえで、トランプ大統領が推進する28項目のウクライナ和平案における未解決の問題を絞り込むことができたと述べ、「われわれはきょう、非常に実質的な形でそれを達成した」と記者団に語りました。
これに先立ち、トランプ氏はウクライナが衝突を巡るアメリカの取り組みに感謝していないと発言し、ウクライナ当局者らはトランプ氏の支援に対する感謝の意を改めて強調しました。
アメリカの提案を基に独自の和平案を策定した欧州の代表団は23日夜、アメリカとウクライナの協議に合流しました。欧州案は、ウクライナにアメリカの提案よりも大規模な軍事力を付与するとともに、どの地域をロシア領と見なすか事前に定めるのではなく、前線から領土に関する協議を始めるべきだと提案しています。
トランプ氏は21日、ウクライナがアメリカの提案を受け入れる期限は27日だとの認識を示しましたが、22日には「提案は最終案ではない」と述べ、調整の余地があることを示唆しました。
ルビオ氏は23日、懸案事項に対処するための時間が依然必要であるとし、27日までの合意を望む一方、さらに時間を要する可能性にも言及しました。
関係者2人によりますと、アメリカとウクライナの当局者は、早ければ今週中にゼレンスキー大統領がアメリカを訪れ、トランプ氏とアメリカの提案について協議する可能性を検討しているということです。領土問題など和平案の中でも最も繊細な争点について両首脳が協議することを想定していますが、現時点で具体的な日程は決まっていないということです。(ロイター)