訪中するベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が乗る飛行機の領空通過を米政府が拒否したとベネズエラ政府から非難されていたアメリカ政府は20日、領空通過を許可したことを明らかにしました。

今週末に北京を訪問予定のマドゥロ大統領は19日、大統領機が大西洋上のアメリカ領空を通過する権利を認めないとするアメリカの決定を「侮辱」だとして非難していました。

 反米の故ウゴ・チャベス前大統領を引き継ぐ左翼政権指導者のマドゥロ大統領は、アメリカ政府が、来週ニューヨークで開会される国連総会に出席予定のベネズエラ代表団の一部の人員に対するビザ発給も拒否したと非難しました。

 これについてアメリカ側は実際にはマドゥロ大統領機の領空通過を認めており、今年の国連総会に出席するベネズエラ代表団のビザ発給を差し控えた事実もないとしています。

 アメリカ国務省のマリー・ハーフ副報道官は電子メールで、通常は3日前までにすることになっている外交飛行の領空通過申請が1日前に出されたため、アメリカ当局はベネズエラ側に正しい申請方法を伝えたとともに、関係当局は数時間のうちに許可を与えようと多大な努力を払い、19日夜に領空通過を認める旨をベネズエラ側に通知したと述べました。