(VOVWORLD) -アメリカのバイデン政権は15日、ロシアを標的とする数百件の制裁を科しました。トランプ次期政権の発足を控え、ロシアに圧力をかけ、過去の制裁の撤回を難しくする狙いがあります。
(写真:ロイター) |
国務省と財務省が250以上の組織などに制裁を科しました。対象にはロシアの軍事産業基盤のほか、中国を拠点とする団体なども含まれています。制裁逃れを封じることが目的です。
財務省はすでに制裁対象となっている約100の組織に新たな制裁を科しました。将来的に制裁を解除する手続きが複雑になる可能性があります。
在ワシントンのロシア大使館のコメントは取れていません。
在ワシントン中国大使館の報道官は「中国は違法な一方的制裁や管轄権の域外適用に断固反対する」と述べました。
米財務省は、すでに米国の制裁下にあるロシアの銀行やロシアのエネルギー部門で操業する企業など約100のロシアの重要組織に制裁を科すと発表しました。米国が関わらない取引を制裁する「二次制裁」のリスクが高まるとしています。
財務省高官によると、制裁の撤回には議会への通知が必要になります。
ヒューズ・ハバード&リード法律事務所のパートナー、ジェレミー・パナー氏は、今回の措置は「トランプ対策」であり、議会の承認なしに追加制裁を取り消すことはできないと述べました。
米国務省は、ロシアが占拠するウクライナ南部ザポロジエ原子力発電所にも制裁を科しました。同原発は運転停止中ですが、冷却作業のため外部電源を必要としています。
ロシアの複数の通信社によりますと、同原発の広報担当は業務への影響はないと述べました。
バイデン政権は今月10日にも、ロシアの石油・天然ガス収入を標的とする大規模な制裁を科しています。(ロイター)