(VOVWORLD) -ハノイは歴史的遺跡が沢山あるだけでなく、世代を超えて書籍への愛好を育む場所としても有名です。近代的な都市の中心部には、本を愛好する人々が知識の世界を見つける古書店が今も残っています。
マオという古書店( 写真: Bao anh Viet Nam) |
現場の音
現在、ハノイの中心地にあるディンレー通りにはいくつかの古書店がありますが、ハノイの書籍愛好者にとってなじみ深い出会いの場所となっています。これらの古書店はハノイの記憶の一部です。また、これらの本屋のオーナーは単に本の売り手だけでなく、知識を保存し、著者と読者との架け橋でもあります。
ディンレー通りにある集合住宅の2階にあるマオという古書店の総面積はおよそ200平方メートルで、今から30年前に開店されました。この古書店のオーナーはファム・テイ・マオさんと主人であるレ・ズイさん夫婦です。
マオという古書店は、読者が好きな本を探するため、一日中歩き回ったり、静かで快適な場所を見つけてお気に入りの本をじっくり読んだりできる場所です。この古書店のオーナーの娘、ゴック・アインさんは次のように語りました。
(テープ)
「この古書店は書籍への母の愛から生まれたものです。母は書籍に精通していました。彼女が残した本の多くは読者に人気があります。古本の競売人も読者に良い本を提供するため、ここにやってきました。私たちはこれを誇りに思っています」
古書を始め、紙の本には電子書籍では代替できない独自の価値があります。古書店に入ると、読者はたやすく魅了されてしまいます。その魅力は紙の香りだけではなく、本のページごとに語られる物語や、言葉のひとつひとつに込められた著者の思いが込められているからです。
それぞれの本にあるそれぞれのページで日記のようにゆっくりと語られる物語は、多くの人々の記憶を呼び起こし、世代を超えて読者を魅了してきました。特に読者は、今日では絶版になっている本をこのような古書店でしか見つけることができないということです。先ほどのゴック・アンさんは次のように語りました。
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「古書には独特の価値があります。価格は手ごろで、翻訳の言語は質が高いです。現在、多くの本がAI ツールを使用して翻訳されています。また、古書には紙の匂いという特徴もあります。私の古書店には多くの常連客がいます。このような空間で、お客さんは本のそれぞれの単語をじっくり考える時間があります」
一方、ハノイ市内にあるラン通りにある古書店は今でも、毎日、午前 8 時に開店します。書店のスペースはそれほど大きくありませんが、各種の書籍が数千冊はあります。中には教科書が最も多く、次に参考書、短編小説、長編小説などが続きます。
ラン通りにある古書店 |
店内には二人が同時に通れない小さな通路もありますが、お客様からのクレームは全くありません。古書を愛する気持ちは同じですが、お客さんが店を訪れる目的はそれぞれ異なります。他ではなかなか手に入らない古い本を買いたいと来られる方もいれば、時の残り香のする古い本の独特の匂いを感じるために来られる人もいます。
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女性:「読書好きな私は、月に3回ほど古書店に行きます。ベトナムの小説を探したいのです。ここに来たとき、私は本を読むだけでなく、心の平安を見つけることができました。古い本のページをめくる感覚と昔のことを思い出す感覚が大好きです」
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男性:「以前出版された作家グエン・ニャット・アインの作品を探すため、この古書店に行きます。これは初版で、著者の古い文体を保っています。私はもう販売されていない本を探したいのです」
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女性:「昔の漫画に印象が深いものがあります。古書店の空間はとても静かで、みんな、集中して本を読んでいます」
ハノイの人々だけでなく、外国人も古書店に来ています。
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「本が大好きです。この古書店の空間も好きです。本をたくさん買えるよう願っています」
近代的で、賑やかなハノイの中に存在している古書店は古書は多くの人々にとってユニークな魅力があることを示しています。時が経ち、ハノイの街が変わっていても、古書店は読書の愛好者の心の中に欠かせない存在であり続けることでしょう。