ハノイ郊外の凧揚げ祭り

(VOVWORLD) - 多くの地方で、凧揚げ祭りが伝統的な行事として保たれており、ベトナム人の精神生活にとって欠くことのできないお祭りになっています。
ハノイ郊外の凧揚げ祭り - ảnh 1

凧揚げは昔からある遊びで、アジアではとても馴染みの風景です。昔は子供たちが放課後によく凧揚げをしたものです。高層ビルが増えたベトナムの大都市では、凧揚げをあまり見かけないかもしれませんが、実際、今でもベトナムでは根強い人気があります。凧は子供にとっては友達のような存在であり、大人にとってはストレスを発散させる遊びでもあります。そして、多くの地方で、凧揚げ祭りが伝統的な行事として保たれており、ベトナム人の精神生活にとって欠くことのできないお祭りになっています。

現在、凧揚げは徐々に伝統的な遊びという枠組みを越え、伝統と現代との調和がとれた芸術の1つとしてみなされています。独特なデザインと新しい素材を使い、最近ではカラフルで美しい凧のデザインができるようになりました。このデザインはベトナム人の伝統的な美が現代にも受け継がれています。ベトナムでは凧揚げクラブは毎年増えつつあり、凧揚げの試合の規模もますます大きくなっています。また、国を越えて、外国のチームも参加する国際的な凧揚げフェスティバルも頻繁に行われています。

ハノイ郊外の凧揚げ祭り - ảnh 2バズオンノイ村の凧揚げ祭り 

伝統的な凧揚げ祭の中で最も大きな祭りの一つはハノイ郊外のダンフォン県バズオンノイ村の凧揚げ祭りです。村の古書によりますと、この祭りは千年以上の歴史があります。バズオンノイ村の凧揚げ祭りの特徴は、凧のデザインだけでなく、凧につけられた笛の音さえも競い合うということです。バズオンノイ村の凧は、風を受けると、つけられた笛から音が出るので、「笛凧」と呼ばれています。その音は、審査員が凧を評価するための重要な要素の一つです。バズオンノイ村の凧揚げ祭り組織委員会のファン・ヴァン・ハー委員長は次のように語りました。

(テープ)

「祭りに参加する要件として、凧は、長さ220センチ、幅が60センチで、少なくとも3本の笛が付けられ、その中の最も小さい笛は直径が2.5センチでなければならないという条件です。賞は、一等賞と二等賞がそれぞれ一つ、三等賞が2つ、奨励賞が3つ、合計で7つあります。賞を決めるのは、凧のサイズ、凧が飛ぶ高さ、地面と紐との角度、及び、笛の音という4つの要素です。それぞれの要素は満点10点で評価されます」

ハノイ郊外の凧揚げ祭り - ảnh 3 凧につけられた笛

バズオンノイ村の凧揚げ祭りは旧暦の3月15日に行われますが、その日の朝は、村の守り神を祀る社で、凧を神様に報告する儀式が行われます。その午後、村の畑で凧同士が自分の美しさを競い合います。

今年のこの祭りは、旧暦の3月15日に当たる4月19日に行われ、ハノイと周辺の各地から15のクラブが参加し、約50個の凧を飛ばしました。

(テープ:現場の音)

祭りで、皆は、凧につけられた笛の音について自分の意見を出してにぎわいました。今年の祭りは周辺の住民だけでなく、国内外の多くの観光客を引き付けました。フランス人の観光客の話です。

(テープ)

「この村に来て村人の温かいもてなしを受けたことをうれしく思っています。この村は、伝統と近代の調和がとれたところだと思います。また、ここで、笛が付いた凧を始めてみました。フランスで、凧揚げ祭りも行われますが、よく海辺で行われます。また、笛がつけられる凧はないので、私にとって大発見となりました。」

ハノイ郊外の凧揚げ祭り - ảnh 4 バズオンノイ村の凧

笛がいい音を出す綺麗な凧をつくることは簡単ではありません。バズオンノイ村の一人グエン・ヴァン・ドンさんは、凧を作る工程がたくさんあり、完成するまでは8か月ぐらいかかると述べ、次のように話しました。

(テープ)

「凧を作るための原料、特に竹は約1年前から準備しなければなりません。また、800メートルから1200メートルの紐も用意します。凧は500メートルから600メートルまで飛ぶことから、地面から見ると、とても小さく見えます。雲があったら、見えない時もあります。凧につけられる笛はメロディのような音を出さなければなりません。」

バズオンノイ村の凧揚げ祭りは、村人にとって娯楽であるだけでなく、信仰的な活動でもあります。凧のベテラン職人グエン・フー・キエムさんは次のように話しました。

(テープ)

「バズオンノイ村の凧揚げ祭りは、水稲の栽培に従事する人々の祭りです。凧が高く飛んで、笛が大きくていい音を出すことは、天気が良くて、豊作で、皆が健康という良い年になると信じられています。そして、一等賞を獲得した凧はその一年中、村の社で展示されます。」

千年の歴史があるこの凧揚げ祭は今もなお、バズオンノイ村の生活に欠かせない存在です。

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