(VOVWORLD) -ハノイでは「バッチャン(Bat Trang)の陶器、ディンコン(Dinh Cong)の銀細工、グーサ(Ngu Xa)の銅製品」と伝統工芸品について言われます。中でも、ディンコン村の銀細工は最も長い歴史があります。
ヒエウさん=VnTravellive |
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銀細工職人のカック・バン・ヒエウさんは、昔から受け継がれている美術手工芸の維持に尽力しています。銀細工に並々ならぬ熱意と情熱を傾けるヒエウさんは「この伝統的職業の継承と保存は当然のこと」と話します。
(テープ)
「ディンコン村の銀細工は、およそ800年の歴史を持っています。私は小さい頃から銀細工に夢中で、いつも祖父母や両親の仕事を手伝いました。私の長男も継いでくれそうですし、国家公務員の次男も、仕事が終わって家に帰って来ると手伝ってくれます。」
そして、ヒエウさんの奥さんの話です。
「結婚してからも、夫はずっとこの仕事に一生懸命です。先祖から伝わる職業に熱意を持っているんです。」
ヒエウさんは自分が作った銀細工製品が、多くの人に手に取ってもらえるように、いつもアイデアを考えているそうです。ヒエウさんの話です。
「銀細工は、独特で繊細さが求められます。どこに出荷しても愛用されると思いますが、どこの銀細工かというのはあまり知られていないかもしれません。市場のニーズを把握しながら、自分の創造性と手先を活かして新しいものを作っていきたいです。」
製作だけでなく、ヒエウさんは、これまでにおよそ170人の若者に銀細工を教えてきました。ヒエウさんの話です。
「かつて、ディンコン村の50%から60%の家庭が銀細工に従事していました。今ではその数が減り、若者の中には、村の伝統工芸に詳しくない人も沢山出てきました。そこで、この職業を維持して発展させる為に、若い世代を対象に職業訓練コースを開きました。」
教え子の女性の話です。
「この1年あまり、ヒエウさんとヒエウさんのお子さんから銀細工を教えてもらっています。先生はとても熱心です。」
講師としても優れているヒエウさんは、50年に渡って、銀細工に従事してきました。仏具など、その銀細工製品は、ベトナム国内外の多くの人に愛用され、高い評価を得ています。