ケー教授
ベトナムの著名な伝統音楽研究家チャン・バン・ケー教授が去る6月24日亡くなりました。94歳でした。生前、ケー教授は伝統文化価値の保存に力を尽くしてきました。
ケー教授は、ユネスコ=国連教育科学文化機関の国際音楽評議会の名誉会員に選ばれ、世界音楽大辞典に掲載されたベトナム唯一の人となっています。
ケー教授は、テイグェン地方のドラとシンバル空間の価値を研究した成果は、そのドラとシンバルの演奏はユネスコかにより世界無形文化遺産として認定されることになりました。ケー教授について、ジャーナリストのグェン・リュウさんは「フランスに在留していた時に、ベトナムの伝統音楽、中でもテイグェン地方のドラとシンバルについて研究していた。さらに、教授は科学研究を主催しただけでなく、民族文化価値の保存と活用に寄与してきた」と振り返りました。
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「フランスから戻ってきた時、ケー教授は幾人かの研究家と共に中部ダックラック省のある県を訪れ、ドラとシンバルを見学しました。その際に、教授はフィリピン人の専門家にエデ族のゴングセットの中にある最大のゴングを指差ししながら、『これはベトナムのエデ族のコントラバスである』とフランス語で話しました。これは素朴な例えですが、本当の事なので、私たちはとても誇りに思っていました。」
さらに、ケー教授は、世界無形文化遺産として認定される為に中部フェ宮廷雅楽、北部バクニン省の民謡「クアンホー」、及び伝統民謡「カーチュウ」の独特と精華をユネスコに紹介していました。音楽研究界では、彼は、責任ある人であり、伝統音楽の研究に夢中になる手本ともなっています。この数年間は、高齢の為、車椅子で移動せざるを得ないにもかかわらず、ケー教授は民族音楽に対する熱心さは変わりませんでした。ホーチミン市音楽研究院副院長のグェン・ミ・リム博士は次のように明らかにしています。
(テープ)
「自分の研究事業において、先輩方の鼓舞と奨励を受ければ、その研究にさらに夢中になります。幸いなことに、私だけでなく、多くの若者はその恩恵に恵まれました。ケー先生は、私たち若い世代に科学研究、民族音楽研究を鼓舞した人です。」
ケー教授と出会い、話し合った事ある人なら、教授が優れたアーチストですが、親しみやすい人であると評価しています。ベトナムの声放送局の交通チャンネルの司会グェン・タオ・グェンさんの話です。
(テープ)
「ケー先生は親しみやすい人です。先生から南部伝統民謡ドン・カ・タイ・トウについて知識を身に付きました。先生はもう生きていないけれども、このような形で残したことは若い人たちが継承、活用されると思います。」
元々医科大学mp卒業生だったケーさんは伝統音楽に夢中になった為、フランスで音楽部門の博士号を取得した初のベトナム人になりました。ベトナムの伝統音楽を愛好する人々にとって、チャン・バン・ケー教授は優れた先生であり、ひいては民族音楽の存在に大いに寄与した人物であることを忘れないでしょう。