ハノイ市バーディン区グェン・チ・フォン高校の歴史の教師チュオン・チャウ・ザンさんは、無味乾燥な歴史の授業を生徒に楽しく学んでもらえるように、授業方法を見出してきました。

去る2月初めに、ベトナム教育養成省が提唱した「ベトナム歴史を魅力的に」という歴史コンクールで、グェン･チ･フォン高校のチームは優秀賞を獲得しました。同校のファム・フォン・ザン校長は「この成績を収めるためには、ザン先生を初めとする生徒と教師たちの努力によるものだ」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「ザン先生の教え方はとても魅力的です。先生は、無味乾燥な教科書の年号や単なる漫画などを具体的な地名や歴史的な人物と結びつけて教えています。その結果、わが校はこの歴史コンクールで優勝したのです。ザン先生は、歴史好きの生徒を「育ての親」と言ても言い過ぎではありません。」

ザン先生は幼い頃から、伝説や歴史上の人物が好きで、ベトナムの優れた将軍、英雄に関する物語をよく読んでいました。ハノイ師範大学歴史科に在学している時から、ザンさんは従来の教え方では授業時間がつまらないと認識しました。生徒たちに膨大な歴史データを暗記させることは難しいだけでなく、生徒に歴史嫌いと勉強したくない気持ちを与えるからです。ザンさんは、生徒が歴史の勉強が好きになるにはどうすれば良いのか授業方法の刷新を工夫することにしました。しかし、授業刷新で同僚の賛同を得るのは容易ではありませんでした。ザン先生は「当初、色々な困難がありました。多くの同僚は従来の教え方の方がいいというだけでなく、新しい教え方は、生徒の勉強したがることに役立たないと指摘した」と明らかにしました。しかし、グェン･チ･フォン高校の指導部の支持を得て、ザン先生は独自の授業方法を堅持しました。当初、10～20人の生徒がザン先生の教え方が好きになりました。それ以来、ほとんどの生徒が、ザン先生の授業のやり方で勉強したくなりました。その後、多くの同僚も、この新しい授業を参考にするようになりました。ザン先生は次のように語りました。

(テープ)

「歴史は生徒の教育に大きく役立ちます。今日の社会では、歴史が重視されなければ、社会的道徳は低下します。ですから、精力的に取り組みました。授業を通して、生徒たちに歴史に関する自分の認識を自由に述べてもらいたいのです。」

ザンさんの授業では、生徒たちは、歴史の教科書で勉強する傍ら、史跡の見学や、歴史の証人との交流に参加することもできます。例えば、ザップ将軍の命日に当たり、ザンさんの生徒は将軍の家に線香を手向けた他、ザップ将軍の革命活動に関する資料を見せたり、聞いたりしました。そこで、生徒たちは、ザップ将軍が直接指揮した作戦について深く理解するだけでなく、民族的誇りが高まっています。

一方で、外国の歴史について、ザン先生は、覚えにくい出来事をユニークな寸劇に工夫しました。例えば、第二次世界大戦に関する授業では、生徒は戦場のジャーナリスト、先生は戦場のジャーナリストから送ってきた情報を収集する編集長を登場させます。先生のガイドの下で、生徒たちは、自分で資料を収集し、自らの認識によってその出来事を述べます。そういう方法は、生徒がその歴史授業を覚えやすい事に役立つからです。生徒の一人ゴ・グ・ザ・フィさんは次のように語りました。

（テープ）

「ザン先生の授業はとても面白いです。毎週、歴史の授業に参加したいです。授業の中で、先生から教われた歴史的出来事を聞いて、とても面白く感じました。特に、歴史遺跡の見学では、先生はまるで旅行ガイドのように案内してくれました。これらの見学コースを通して、先生と生徒たちはさらに緊密になり、私自身も歴史についての知識を向上するようになります。」

歴史の教師になってから16年あまり経ったザン先生は、何年にもわたって優れた教師として称号を授与しました。ザン先生は、毎年入学してくる生徒に歴史に興味を持たせる事が最も効果的なことだと思っているようです。