元軍医ダン・カットさん

ハノイ市タイ・ホ(TayHo)区ラック・ロン・クアン(LacLongQuan)通りに住む元軍医ダン・カット(DangCat)さんは、この20年余り、貧しい患者に無料で診療・治療を行っています。

カットさんの話によりますと、かつてのフランス植民地時代と抗米救国闘争、いわゆるベトナム戦争時の30年間に、北部と南部の戦場に赴き、軍隊、兵士の診療と治療に参加しました。さらに、隣国のラオスとカンボジアの人民をも診療、治療しました。カットさんは現在でも忘れられない記憶について、次のように明らかにしました。

(テープ)

「1965年に、同士ヂン・スアン・ビさんは、アキレス腱を断裂してしまい、歩けなくなりました。その時に、森林の中で、私は、その腱の縫合に成功しました。そして、ビさんは引き続き戦闘に参戦しました。この成功をきっかけにして、私は科学の研究に没頭するようになりました。」

カットさんはこのように語りました。

元軍医ダン・カットさん - ảnh 1


カットさんの考えによりますと、治療の効果向上を目指すため、特に、難病にとっては東洋医学と西洋医学を結合させる方法が必要ととされています。疫痢、肝炎、条虫症、腫瘍、うつ病などの病気に対しては、治療計画を作成しなければなりません。そうすると、病気の根本的な原因を発見するだけでなく、その治療方法を見出すために研究することが出来ました。そのため、カットさんが研究してきたザクロとビンロウジュの木の根で条虫症を治療する研究テーマ、及び首・肩・背中痛治療の研究テーマは成功しました。

これまでに、カットさんは、多くの患者の治療に成功しました。その患者の一人であるド・バン・ロンさんは次のように語っています。(テープ)

「1999年に、私は米噛みの左に腫瘍が発見されました。カットさんは、かなり長い日々にわたって、治療してくれました。そして、2002年にも、(あご)に腫瘍が発見されました。カットさんを敬服しています。」

1989年に退役して以来この20年余りに、元軍医ダン・カットさんは、古い自転車に乗って、患者の元へ治療に行くときもありました。カットさんからの治療を受けて、回復した多くの患者は、カットさんに巨額の現金、またはプレゼントをしましたが、彼はすべて断りました。さらには、幾つかの組織や個人は診療所を開くという話が出たときも、彼は断りました。

北部ソンラ(SonLa)省公安武装軍医、そして、国境警備仕官学校軍医を務めたことがあり、診療・治療作業において高く評価されたカットさんは「人間は貴重なものであり、人が存在すると財産がある」と常に信じています。カットさんは次のように語りました。(テープ)

「健康は黄金のようなものです。病気を予防対策する為に自分の体の調子を見極めなければなりません。健全な体を維持するためには、幾つか必要なことがあります。それらは、タバコやお酒やビールを止めること。、食品の産地は明らかでなければならないこと。そして、科学に信頼感を持つということです。私は出来る限り、患者を手伝ってあげたいと思います。」

カットさんはこのように語りました。

70歳を超えたカットさんは、今なお患者の診療・治療を続けています。

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