民謡「テン」に夢中になったチャン・タイン・アンさん
(VOVWORLD) -5月12日~14日にかけて、北部ハーザン省で開催された第6回「テン」(Then)という民謡と撥弦楽器「ダン・ティン(Dan Tinh)」フェスティバルには、数百人の職人やアーティストらが参加しました。
その中にも、20歳未満の若いアーティストもいました。北部カオバン省芸術団のメンバーである19歳のチャン・タイン・アンさんは、キン族の出身ですが、少数民族のテイ(Tay)族の言葉による民謡「テン」の歌い声で視聴者を驚かさせました。
「テン」という民謡は北部山岳地帯、中部高原地帯テイグェン地方に住んでいる少数民族のテイ(Tay)族、ヌン(Nung)族、タイ(Thai)族の代表的な民芸として知られています。この民芸の保存と発展を目指して、北部山岳地帯の各省は2年ごとに、「テン」と「ダン・ティン」フェスティバルを開催することにしました。これは、各民族の人々が、交流しあったり、自らの民族の民芸「テン」を披露する場となっています。ところで、民謡「テン」の若い歌手アンさんは、13歳の頃から、この民謡の勉強を始めました。アンさんの話です。
(テープ)
「私は、子どもの頃から、民謡の『テン』を良く聴いていました。そのうち、だんだん、この民謡が好きになってきました。それで、『テン』の歌い方を勉強することにしました。」
アンさんは、この民謡が好きになってから、少数民族のティ族語の勉強を始めました。そして、地元にある優れたアーティストに民謡の歌い方や撥弦楽器「ダン・ティン」の弾き方の勉強を頼みました。アンさんの話です。
(テープ)
「母がティ族の出身ですから、ティ族語の勉強は容易になりました。でも、『テン』の歌い方と楽器の弾き方の勉強は、最初は大変でしたが、興味があるので、頑張って勉強しました。」
「テン」はテイ族の言葉で、「天」という意味で、いわゆる「天」と「地」の天です。この民謡は神様に豊作や幸福などを祈るもので、神様にお願いするための地上から天までの道のりを物語るのです。順調な天候を祈る他に、長生きの長寿、男女の愛、幸運などを祈る内容もあります。そこで、アーティストらは民謡「テン」を歌いながら、「ダン・ティン」を弾くと共に、踊らなければなりません。アンさんはさらに次のように語っています。
(テープ)
「撥弦楽器の『ダン・ティン』で演奏するためには、その演奏者は音楽に詳しい人でなければなりません。また、色々な曲、色々な音、色々なイメージを伝えるためには、演奏者の手先の器用さが求められます。」
現在、アンさんはカオバン省の民衆芸術団の一員になりました。アンさんは他のアーティストらと共に、子どもや高齢者に「テン」を教えるクラスなどを行っています。アンさんについて、「テン」の歌い手であるターさんは次のように明らかにしています。
(テープ)
「アンさんのような若い人たちが、民謡『テン』を歌えることは、この民謡の保存と発展に寄与することです。私はとても喜んでいますよ。」
アンさんは、今回の第6回「テン」という民謡と「ダン・ティン」楽器フェスティバルに始めて参加しましたが、賞を授賞されました。この賞は、ベトナムの「テン」の歌いと楽器「ダン・ティン」の芸能に寄与しているアンさんの努力と情熱に値することです。