ホアックさんと一弦楽器のダンバウ

ホアックさんは北部タイビン省の出身者です。幼い頃から、楽器演奏を独学で学びました。国立音楽学院を卒業した後、中央歌舞団に勤めました。当時のことについて、ホアックさんは次のように思い出しています。

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「タイビン省は北部の伝統芸能の一つである『ハット・チェオ』の発祥地ですから、私は小さい頃からこの伝統芸能を少し歌えましたよ。そのため、国立音楽学院の入学試験をすぐ合格したんです。幸いなことに、在学中、優秀なアーチストであるスアン・カイさんから直接教わりました。卒業後の1971年に、国立音楽学院に勤めて、2012年に定年退職しました。今日のような成功を収めることができたのは、学院の先生たちから育成されたことと、自分の努力のお陰です。」

人民芸術家スアン・ホアックさんは、月琴のダン・グエット、二弦楽器のダン・ニー、三弦楽器のダン・タム、一弦楽器のダン・バウ、長棹リュートのダン・ダイ、そして打楽器のどれも上手に演奏できます。彼は、これらの楽器を使いながら、伝統芸能「カーチュー(ca tru)」、「チャウバン（chau van）」、「ハットサム（Hatxam）」を歌うこともできます。それだけではなく、彼は楽器を製造することもできるのです。ホアックさんの話です。

（テープ）

「音楽研究院の写真を見ただけで、一弦楽器のダンバウを復元しましたよ。普通の一弦楽器と違い、この楽器はフレットが高すぎて、どうすれば弦を弾けるのかと不思議に思って、複製することにしました。私が製造した楽器は音声が良くて、元の楽器を複製したものであるとベトナム音楽保存・発展センターから認定されています。」

現在、彼は定年退職したものの、ベトナム歌舞音楽団の若いアーチストにハットサム、民族楽器の演奏練習を指導しています。それだけではなく、毎週末になると、ハノイ旧市街で、彼はベトナム音楽保存発展センターのアーチストと共に、伝統芸能のハットサム、カーチュー、チャウバンを演奏します。ベトナム音楽保存発展センター長の話です。

（テープ）

「ホアックさんは優秀な人ですよ。歌えたり、楽器を演奏するだけではなく、楽器までつくるんですよ。民族楽器を弾くのは難しくて、誰でも奏でることはできないですよ。彼は『人民芸術家』という称号に値しますね。」

人民芸術家のホアックさんは、ハットサムの保存と発展作業のために、様々な貢献をしてきました。ホアックさんの話です。

（テープ）

「私は、ハットサムの復旧に寄与した人々の中の一人です。以前、ベトナムでハットサムの最も優れた歌手にハー・ティ・カウから歌い方を詳しく教えてくれたのですよ。」

ホアックさんはハノイ市ラン通りの小さな路地にある住宅の敷地に、北部田舎の伝統的家の模型を設置しています。この家の中に、各種民族楽器が保管されています。また、この現場で、彼は、歌や楽器を教えながら、演奏します。

『人民芸術家』のホアックさんはさらに国際組織「ワールド・マスターズ」から世界のアーチストとして認定されています。