(VOVWORLD) -中部ハティン省カンロク県トウオンロク村に住むチャン・ビエット・ホアンさんは視覚障害をもつ青年ですが、逆境を乗り越え、自分の生計を賄うだけでなく、同じ境遇の人々を助けてきました。
ホアンさん(白シャツ) |
ホアンさんは、5歳頃、網膜剥離の症状により、視力低下が起こりました。そのままの状態で放置したため、10歳になると、失明してしまいました。当初、視覚障害者であるホアンさんは、生活や学習などにおいて様々な困難に直面しました。しかし、ホアンさんはそれらの困難を乗り越えるように努力してきました。彼は、早々に点字を勉強しました。
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「丁度、目が見えなくなった途端、カンロク県視覚障害者協会の人は私を励ましてくれました。私が登校を再開できるように、彼らは点字を教えてくれました」
ホアンさんの話によりますと、点字を勉強した後、視力の正常な友だちと一緒に同じクラスで勉強しました。小学生から高校生まで、彼はいつものように優秀な生徒でした。とくに、高校3年生頃に、フルブライト大学ベトナムから22億ドン、約1394万円相当の奨学金を受けました。さらに、彼は盲人のリハビリセンターとベトナム視覚障害者協会の連携で行われた情報工学コースに参加した、優秀な学生の一人でもありました。
ホアンさんはまた、次のように語っています。
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「私は、コンピュータサイエンス学部の学生です。大学2年生からインターンをはじめました。3年生になると働き始めました。現在、私はプログラマーであり、主にテクノロジー製品に関連した仕事をしています」
視覚障害者であるもののホアンさんは、社会活動に積極的に参加すると同時に、自分の生活を賄うために、身に付けた知識をいかして、仕事をしています。2021年に、彼は、視覚障害者向けのプログラミング教室を開きました。彼は、「インナーライトベトナム(Innerlight Vietnam)プロジェクトの創設者兼マネージャーであり、視覚障害者を支援するために、新技術ツールを共有しました。それだけでなく、ホアンさんは、ベトナム視覚障害学生ネットワークの主任として活躍しています。
ホアンさんはさらに次のように語っています。
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「ネットワークの諸活動を行うと同時に、ホーチミン市に住む視覚障害者の青年にプログラミングを教えています。オンラインでもレッスンをしていますよ」
これまでに、ホアンさんは、視覚障害者向けの複数のコンテストに参加し、受賞したほか、社会保障分野において立派な成績を収めたため労働傷病軍人社会事業省から表彰状が授与されました。友だちや、同僚はホアンさんが困難を乗り越え、多大な成績を収めたことを知り、誰もが憧れています。
ホアンさんの大学クラスメートであるレ・タオ・グエンさんは次のように語っています。
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「ホアンさんは、様々な困難に直面したものの、いつものように、前向きな生活をしており、学習や仕事に取り組んでいます」
社会活動に積極的に参加する人であるホアンさんは、多くの視覚障害者が生活上の困難を乗り越えるためのモチベーションを与えたい意向があるようです。
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「困難を乗り越えるためには、自分自身が努力し、周りの人から支援を受けることは重要です。ですから、私は、同じ境遇にある人を助けたいのです」
ホアンさんは、困難や障害を乗り越えるために、常に自信こそが成功への扉を開くカギであると見なしています。
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「私は常に『自分は視覚障害者であるけれども、知恵がある人です』という自信を持っています。成功するためにはやるべきことはたくさんあると思いますが、まず最も基本的なことは、常に自信を持ち、自分を信じ、自分の能力と知識を信じることです」
まだ若いホアンさんですが、『この世の恩返しをしたい』という考えを抱いています。彼にとって、それらは、コミュニティと社会への感謝の気持ちであるようです。現在、ホアンは Tiktok チャンネル「コーディング・ザ・ライト(Coding the Light)」を所有しており、周囲の人々に前向きなインスピレーションを与えるのを狙っています。