ベトナム政府は2016年を「スタートアップの年」に選び、「2025年までのスタートアップ環境づくりと創造・刷新の支援」計画の展開に第2投資ブームを作り出すことを狙いとしています。1年経った後、この計画は一定の成果を収めました。起業家やスタートアップ投資基金が増えてきたのです。
2016年、若者を中心にスタートアップ運動が活発に行なわれました。例えば、飲食物やファッション、電子製品の取引に関するLoziというソーシャル・ネットワークやBeeketingが開発したオンライン・マーケッティング手法、オンラインで客室予約サービスを提供するVntrip.vnというウェブサイトなどが成功しました。Loziのソーシャル・ネットワーク利用者はおよそ40万人となり、月当たりの収益は10億ベトナムドン、約5百万円を超えています。また、去る11月、韓国から百万ドルの投資を受けました。一方、Beeketingはアメリカのシリコンバレーに拠点を置くシード投資ファンド500Startupsは15万ドルの投資を得ました。オンライン客室予約サービスを提供するVntrip.vnの技術担当のグエン・ホン・タイ社長は次のように語りました。
(テープ)
「投資家は会社の方向をはじめ、スタッフ、運営方法に関心を寄せています。我が社の場合、投資家らは我々の新規利用者の割合ではなく、再利用の割合に注目しています。」
現時点で、国内各地で新規設立企業はおよそ1800社あります。世界でも有望な投資先として3位に立っているベトナムは、各ベンチャー・キャピタルの投資をどんどん誘致しています。去る2月、Triipmeという旅行プラットフォームは100億ドン、約5千万円の投資額、Mサービス株式会社が開発したオンライン決済サービスへの投資額は6千億ドン、約30億円を超えました。しかし、これらは小さな成果に過ぎません。現在、ベトナムのスタートアップ環境が整備されたとはいえ、起業活動は順調とはいえません。起業家は営業許可の申請などの手続きに関し、様々な困難に直面しています。
2016年、グエン・スアン・フック首相は、「2025年までのスタートアップ環境づくりと創造・刷新の支援」計画を採択し、電子ポータルの開設や各省庁、地方でのスタートアップ支援サービスの提供、ベトナムと各国を結ぶスタートアップ・ネットワークづくりなどを集中的に進めることが狙いです。また、政府はスタートアップ環境づくりの促進を目指し、法律文書の改正、補足を行ないました。科学技術省のチャン・バン・トゥン次官は次のように語りました。
(テープ)
「スタートアップや企業の設立などに関する情報の提供に際し、投資家や起業家が容易にデータベースにアクセスできるよう、公開で明確な法的環境を確保しなければなりません。これにより、ベトナムでのスタートアップ運動が順調に進められるでしょう。また、ベトナムへの投資に関する文書や政策には明確な規定を盛り込む必要があります。」
先頃、計画投資省は中小企業支援法に起業に関する一章を策定し、具体的な規定を加えました。また、異なる起業に関する特別な条項があります。これにより、ベトナム企業界のスタートアップ精神と創造力が刺激されるでしょう。