(VOVWORLD) - 観光客をさらに誘致するため、ハノイは夜間観光の開発に注力しています。これは観光客に特別な体験を与えるとともに、市内の発展事業に貢献する見通しです。
ハノイ観光局によりますと、今年1月から11月末まで、ハノイは2260万人の国内外の観光客を迎え、昨年同期と比べ、32.4%増となっています。したがって、観光部門の収益額は34億6000万米ドルを超え、58.4%増加しています。観光客をさらに誘致するため、ハノイは夜間観光の開発に注力しています。これは観光客に特別な体験を与えるとともに、市内の発展事業に貢献する見通しです。
ハノイ市内のホアンキエム湖周辺の歩行者天国=hanoimoi.vn |
2020年7月首相は、決定省1129号を発布し、ベトナム夜間経済開発案を承認しました。この案に従って、当面、観光開発が進められ、そして、ハノイはこの案を試験的に行う地方に選ばれています。
ほかの地方と比べ、ハノイは夜間観光を開発するための大きなメリットがあります。例えば、豊富な歴史・文化遺産と遺跡、独特な文化価値、多様な芸術などです。これらはハノイを魅力的な目的地にする主な要素とみられています。また、娯楽・飲食・ショッピング・リゾートに関わるインフラシステムや、観光スポットの連携性、活発な夜間経済活動、夜間観光開発のための広い空間なども地元の利点とみられています。
国会文化・教育委員会の常任委員であるブイ・ホアイ・ソン準教授・博士は次のように分析しています。
(テープ)
「夜間経済は、観光開発事業において、重要な役割を果たします。ハノイがUNESCO=国連教育科学文化機関の「創造都市ネットワーク」のメンバーとなっている背景の中で、夜間経済に関する問題点を解決できれば、ハノイをはじめ全国の観光開発事業に突破口を切り開くようになります。また、ハノイは文化価値の紹介を重視しています。したがって、この間、ハノイは夜間経済開発に取り組んでいます。これを通じて、独自のメリットを生み出すのを目指しています」
実際、ハノイの夜間観光開発事業は初期段階の成果を収めています。タヒェン・ルオンゴッククゥエン、ホアンキェム湖周辺の歩行者天国、ダオゴック・グーサ飲食街、チンコンソン文化・飲食街、トンズイタン夜間飲食街などハノイの有名な夜間街路は多くの観光客を引き付けっています。
これらの初期段階の成果を踏まえ、このほど、ハノイ観光局はホアンキェム区人民委員会と連携して、ホアロー監獄遺跡へのツアーや、北部地域住民の風俗習慣を再現する「北部の精華」ショー、タンロン古城へのツアー「王城の探求」、夜間シティツアー、毎日21時にホーチミン廟で行われる国旗降納式典を体験するツアーなど15の新たな夜間観光商品を発売しました。
北部地域住民の風俗習慣を再現する「北部の精華」ショー=qdnd.vn |
また、サイクリングツアーや、ベトナム初の大学とされるハノイ文廟・国士舘へのツアー、夜間歌舞公演の鑑賞など新たなツアーも企画されています。これらのツアーはいずれも、タンロン・ハノイの1000年以上の歴史・文化価値を活用するものです。ハノイ観光局のダン・フゥオン・ザン局長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「観光客がハノイの夜の美しさを実感することを望んでいます。国内外の観光客がハノイにやってきて、ハノイの夜間空間を体験し、ハノイへの愛情を深めるよう願っています。夜のハノイは特別な雰囲気があり、静かな場所もありながらも賑やかなところもあります。これを通じて、観光客は新しい気持ちを味わえるでしょう。これらは我々の期待しているところです」
ハノイ観光局によりますと、ハノイ中心地にあるホアンキェム湖周辺地区と旧市街は外国人観光客を多数引き付けています。これらの地区はレストランや、ホテル、夜遊びスポット、娯楽施設などがたくさん密集し、観光客に特別な体験を与えます。ホアンキェム区人民委員会のファム・トゥアン・ロン委員長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「歩行者天国での活動が活発に行われるとき、ホアンキェム区内に泊まる外国人観光客は増えます。したがって、これらも観光振興に役立ちます。ホアンキェム区にある歩行者天国は首都の観光開発事業に重要な役割を果たしています。このモデルを通じて、複数の文化交流活動が行われています」
ハノイは、今年比で13.3%増に当たる延べ2550万人の観光客を迎えるという来年の目標を設定しています。その目標達成のために、夜間経済開発は効果的な措置とみられています。こうした中、夜間観光が観光部門を含めハノイの経済社会開発事業に新風を吹き込むことが期待されています。