毎年旧暦の1月5日に、ハノイ市内にあるドンダー丘では盛大な祭りが開催されます。この祭りは約200年前に29万人におよぶ中国・清朝の侵略軍を破ったクアンチュン帝の偉大な戦功を祝うものです。
ドンダーの丘はハノイ市内のタイソン通りの西側にあり、木々に囲まれた丘です。現在、この場所は公園となっていますが、やく200年前は激しい戦場でした。1788年10月に清朝の軍隊がベトナムに進攻し、タンロン城を占領した後、現在のドンダーの丘の周辺に基地を築きました。クアンチュン帝はこれを受け、ベトナム中部のビンディン省タイソン県から進軍し、ドンダー地区で侵略軍を包囲し、激戦の末に勝利を収めました。1789年1月5日、クアンチュン帝はタンロン城に入り、勝利を祝いました。それ以来、ハノイ市民は、毎年のこの日をこの偉大な戦勝を記念する日として、祭りを催してきました。ドンダー丘の近くに住んでいる市民ター・フィ・フンさんの話です。
(テープ)
「ドンダーの戦いの勝利は国を守るベトナム民族の偉大な勝利です。これを若い世代に伝える必要があります。若者は祖先がどのように国を建設・保護したかを知る上で、現在の国の発展・防衛事業にどうすればよいか分かるようになると思います」
フンさんの話でした
祭りでは、線香をあげ参拝する式典、2世紀前の戦いを再現する竜の舞い、民間遊戯など様々な伝統的文化・宗教活動が開かれます。ハノイ市民のグエン・ティ・ボイさんは次のような感想を述べています
(テープ)
「この祭りの組織面は本当にいいですね。これはベトナムの伝統を示しています。毎年、祭りに参加でき、本当に嬉しいです」
ボイさんはこのように話しました
この祭りは毎年、大勢の人々を集めています。ホアンキェム区に住んでいるファン・ヒュー・タインさんは次のように話しています。
(テープ)
「私は毎年この祭りに参加しています。竜の舞いや伝統的な武術披露会などはとても面白いですよ。この祭りを通じて、国が徐々に発展していることも感じます」
タインさんはこのように語りました。
ドンダーの丘祭りは今後も開催され、ベトナムの歴史、文化の欠かせない一部となっています。