(VOVWORLD) - 新型コロナウイルス感染症を基本的に抑制した直後、ベトナムは経済回復に尽力し始めました。疫病の影響で輸出活動が大きな打撃を受けていることを前に、ベトナム企業は、約1億人の人口を擁する国内市場を有望な市場と見なし、国内消費のテコ入れを目指していく方針です。
紡績縫製部門は新型コロナウイルスから最も大きな影響を受ける部門です。この部門の4月の輸出額は3月と比べ20%減となっています。紡績縫製部門の大手企業「マイムオイ(May 10)」は、その対応策として国内の消費者のニーズに応える商品の生産に集中しています。同社のマーケティング部長ブイ・ドゥク・タンさんは次のように語りました。
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「喜ばしいことは、生産経営活動を再開した後、お客さんが弊社の商品に対するフィードバックを示していることです。再開を準備するために、商品の多様化や、質的向上に力を入れてきました。これにより、売上は徐々に増えつつあり、感染が起きる前のレベルへ近づいています。これは弊社にとって、短期的にも長期的にも積極的な兆しとみられています。」
統計総局によりますと、年初からの4か月間、小売り業とサービス業の売上高は前年同期と比べ、4.3%減となっています。しかし、社会的距離の確保措置が緩和されたことにより、国内市場の消費が回復する見通しです。ハノイ商業会社のグエン・ティエン・ヴォン副社長は、これから、国内市場は国内企業の拠り所となっていると述べ、次のように語りました。
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「弊社は社会的距離の確保措置が実施されている間に、食料・食品の店舗19カ所の改装を行いました。年末まで、約100カ所の店舗を改装・拡大・オープンする計画があります。」
以上お話ししましたように、今年1月から4月まで、商品とサービスの累計売上高は前年同期と比べ、4・3%減となっていますが、商品の消費量がやや増えています。特に、必需品の価格は高騰していません。エコノミストらは、「国内市場は各企業の重要なよりどころである」と分析していますが、各企業はその方向に沿って、国内市場開発に力を入れています。有限会社「ガンザン社」のバイク・キム・ガン社長は次のように話しています。
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「政府が社会的距離の規制を緩和してから、わが社は再起動し、市場開発や、製品の質的向上、販売ルートの再構築などに関する計画を立てました。同時に、各地での販促活動や、割引キャンペーンなどを進め、国内市場の需要を刺激します。国内市場の潜在力を重視しているからです。」
新型コロナウイルスとの闘いから見れば、ベトナム国内市場の潜在力が高いことがわかるでしょう。そして、国内市場開発とその需要刺激は企業に長期的な利益をもたらすだけでなく、国の発展事業にも貢献すると評されています。