ベトナム経済発展みるFDIの貢献

ベトナムがFDI=外国直接投資の誘致を開始してからこの25年間、外資系企業はベトナムの経済発展事業において重要な役割を果たしており、そして、FDIはベトナムの社会的投資の増額や、経済構造の転換などに役立っています。

計画投資省によりますと、現在、ベトナムで活動中のFDIプロジェクトは1万4550件です。その登録資本金は2110億ドルに上っており、実施額は976億3000万ドルとなっています。これはベトナムの社会的投資総額の約25%をFDIが占めているということになります。

そのうち、外資系セクターは最も能動的に発展し、成長率がもっとも高い部門と評価されています。2012年に、同部門は国家予算に約37億ドルを納めました。この金額はベトナムの歳入の11・9%に相当します。また、FDI企業は200万人を直接的に雇用し、そして、300万から400万人に間接的に雇用創出をしてきました。

これは工業化近代化へ向けてのベトナムの労働構造の転換に積極的な影響を与えています。特に、FDIはベトナムの輸出活動に重要な役割を果たしています。2012年までに、FDI部門は国の輸出総額の64%を占めています。


ベトナム経済発展みるFDIの貢献 - ảnh 1


3月27日に開催されたFDI総括会議で、ブイ・クアン・ビン(Bui Quang Vinh)計画投資大臣は次のように語りました。

(テープ)

「ベトナムにとって、FDIは極めて重要です。FDIを通じて、私たちは財源や雇用創出、輸出、歳入などの面での利益だけでなく、企業の管理、運営に関する経験の収集や技術移転などの面でも収益があります。FDIはこの25年間ベトナムの工業化近代化事業の目標の実現に大きく寄与してきたといえます」

長年、FDIは重点的経済地区をはじめ、ベトナムの各地方に大きな変貌をもたらしています。近年、北部港湾都市ハイフォンや、北部山岳地帯のタイグエン省、北部丘陵地帯のビンフック省などは外国人投資家の魅力的な投資先として知られています。その中で、ハイフォン市は12億3000万ドル相当のFDIを誘致し、全国で第2位に立っています。

同市向けのFDIプロジェクトは主に工業分野に集中しており、中でも、日系企業ブリジストン社の5億7500万ドル相当のプロジェクトや富士ゼロックスのプロジェクトなどがあります。世界的経済危機が複雑に推移している現在の背景の中で、これらのプロジェクトは外国人投資家がベトナムの投資環境に信頼をかけていることを示すものと評されています。

これに関し、日系企業IBCベトナム社の市川匡四郎(いちかわ・きょうしろう)社長は次のように語りました。

(日本語のテープ)
一方、各地方もFDI誘致に大きく寄与しています。ハイフォン市人民委員会のズオン・アィン・ディエン(Duong Anh Dien)委員長は次のように語りました。

(テープ)

「私たちは自らの力を外資誘致を決める要素としてみなしていますので、具体的な計画と戦略を立案しました。我が市は経済管理能力と外国語能力を兼ね備えた幹部がいます。そのほか、行政改革やインフラ整備も重視しています。大手企業の誘致は優先課題です。というのは大手企業が来れば、中小企業もやって来るからです」

こうした中、ベトナム政府は「自国の潜在力の発揮や外国人投資家の信頼醸成のために、現在も多くの弱点を克服する必要がある」ということを念頭において、様々な措置をとっています。

これに関し、グエン・タン・ズン首相は次のように語りました。

(テープ)

「行政手続をはじめ、行政改革を進めることを強調します。これまで、多くの成果を収めてきましたが、外資誘致の面での競争力の向上のために行政改革を促進しなければなりません。行政手続の簡素化を『地域のほかの国々よりも便利・競争的』という方向に進めます。また、行政改革と政策改革を外国投資をより多く誘致するためという方向で進めます」

この25年間FDIを誘致することで、ベトナムは多くの成果を収めてきました。そして、今後もさらに、FDIが増えることで、国の発展事業に引き続き寄与してゆくと期待されています。

ご感想

他の情報