(VOVWORLD) - 11月11日、ダナンで、ベトナムのチャン・トゥアン・アイン商工相と日本の茂木敏充(もてぎ・としみつ)経済財政・再生相は記者会見を開き、アメ リカを除くTPP=環太平洋経済連携協定参加11カ国による新協定の大筋合意を発表し、新協定の正式名称をCPTPP=「包括的かつ先進的TPP協定」と しました。
合意したのは、オーストラリアや、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、シンガポール、ベトナムの11カ国です。中部港湾都市ダナンで開催されていたAPEC2017の首脳ウィークの際に、これらの国々はTPPについて討議し、加盟諸国が幾つかの義務の履行を延期することを許可し、TPPをCPTPP=「包括的かつ先進的TPP協定」に改名することを決めました。
CPTPPに関する合意を発表するアイン大臣と茂木大臣 |
この11カ国の経済担当閣僚らはいずれも、CPTPPが加盟諸国の利益と発展程度の配慮を基礎にする全面的かつ基準が高い協定であるとしています。エコノミストらによりますと、CPTPPはアメリカの離脱により多くの困難に直面していたTPPの再生だといえます。
また、地域内で民族主義と保護貿易主義が台頭している中、貿易自由化の突破口を切り開くものともしています。この合意を達成するために、ベトナムと日本の共催のもと、加盟諸国の閣僚らはAPEC2017の首脳ウィークを機に、11月8日から10日まで、会合を行い、詳しく討議しなければなりませんでした。
アイン商工相は、「加盟諸国はこの協定の要求、メリットなどを再評定しなければならなかった」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「一カ国がTPPから離脱する一方、残りの国々がそれを継続したい意向にあるのがこの新しい協定の背景です。そのため、協定の新しい点は、『包括』と『先進』という2つの言葉で表わされます。これは、閣僚らが一致し、強調したものです。したがって、CPTPP=『包括的かつ先進的TPP協定』の新名称は誕生しました。」
また、エコノミストらは、CPTPPの誕生は、開発協力を中心とするグローバル化に対する信頼を示すものです。特に、TPPの重要な柱の1つであるアメリカが離脱しても、残りの11カ国がその路線を維持したいことは、現在の全世界の発展傾向に関するメッセージを送るものとしています。
アイン大臣は、「日本とともに、ベトナムはTPPに関する問題の解決策を模索するプロセスにおいて重要な役割を果たしてきた」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「11カ国が加盟するTPPに関する交渉プロセスは、12カ国が参加するTPPの高い基準を維持する目標を設置したことから、困難でした。ベトナムは、実践を研究・評定し、経済統合や、改革、開放、政治・経済・社会などに関する要求を出しました。これらの要求は、ベトナムと新しいTPPの加盟諸国の利益バランスを確保するものでありながら、新しい協定が協調を達成し、早期に稼動することを目指しました。」
一方、茂木大臣は、加盟諸国が短時間に合意を達成することや、その合意を維持することの重要性を強調し、次のように明らかにしました。
(テープ Moteghi 日本語)
ダナン市で達成された合意は、11カ国の大きな努力を示しています。中でも、日本とベトナムの貢献は好評を得ています。そして、CPTPPが早期に発効され、加盟諸国をはじめ全世界の協力に新しいチャンスをもたらし、それぞれの国の経済発展や、貧困解消、雇用創出などに役立つことが期待されています。