(VOVWORLD) - ベトナムでは、加工・製造業が経済発展戦略の重要な柱の一つと位置づけられ、国の競争力を高める基盤とされています。
政府は今年、経済成長率を二桁に引き上げる目標の達成に向け、製造業の生産拡大を進め、工業生産指数を12%から14%伸ばすことを目指しています。
2025年、加工・製造業の成長率はおよそ10%となり、経済全体の成長への貢献はおよそ3割に上りました。特に、より高度な加工分野や、技術を多く取り入れた製品の生産が伸びています。
こうした流れを受けて、ベトナムは今年以降、そして2026年から2030年にかけて、これまでの「量の拡大を中心とした発展」から、「質の向上を重視する成長」へと転換する方針です。製品の品質を高めるとともに、単純な加工や組み立てへの依存を減らし、製造分野での付加価値を高めていく考えです。
クアック・クアン・ドン氏 写真:VOV |
ベトナム商工省の工業局で副局長を務めるクアック・クアン・ドン氏は、GDPを10%以上伸ばす目標の実現に向けて、主に3つの取り組みを進めていると説明しています。
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「まず、基幹産業や重点産業の発展に向けた制度や政策、法整備を進めます。次に、企業支援の政策やプログラムを効果的に実施し、新しい工業プロジェクトの稼働を後押しします。そして、大規模な公共投資プロジェクトを活用し、企業の事業拡大を支援していきます」
また、今後の重要な戦略の一つとして、製造業におけるデジタル化とイノベーションの推進も掲げています。企業に研究開発への投資を増やすよう促すとともに、新しい技術の導入やコア技術の習得を進め、付加価値の高い生産体制の構築を目指しています。
ベトナム中小企業協会の副会長、トー・ホアイ・ナム氏は次のように指摘しています。
(テープ)
「二桁成長を実現するには、デジタル経済、グリーン経済、イノベーション、そしてハイテク産業に重点的に取り組む必要があります。こうした分野の発展によってこそ、付加価値を高め、ベトナムの強みを生かすことができます」
各地でも、ハイテクを取り入れた加工・製造業の発展を急いでいます。環境に配慮した持続可能な工業化を進め、単なる加工や組み立てから付加価値の高い生産へと転換することで、大手テクノロジー企業の投資を呼び込み、長期的な経済成長につなげる狙いです。
染色・繊維製品の製造 写真:TTXVN |
中部カインホア省では、経済区や工業団地のインフラ整備が進められています。経済区と工業団地の管理委員会のチャン・ミン・チエン委員長は、次のように話しています。
(テープ)
「ハイテクや環境に配慮した持続可能な工業発展を実現するため、経済特区や工業団地で技術インフラと社会インフラを一体的に整備する計画を進めています。投資家にとって魅力的な環境を整えるとともに、地域の人たちの生活環境にも配慮した工業発展を目指しています」
商工省は今後の成長基盤を整えるため、2026年から2030年にかけての支援産業の発展プログラムを策定しているほか、企業の生産能力を高め、世界のサプライチェーンへの参加を後押しするための技術センターの整備も進めています。
工業生産指数を今年12%から14%伸ばす目標を達成するためには、投資資金の確保も重要だと指摘されています。
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「工業分野は多額の資金が必要で、投資回収までの時間も長いという特徴があります。そのため、エネルギーや資源開発、産業インフラなどの分野で、大規模で効果的なプロジェクトを公共投資や民間投資から呼び込むことが重要です」
ベトナム経済の成長の中で、加工・製造業は中心的な役割を担う分野として存在感を強めています。主力の輸出品の多くがこの分野から生まれていて、今後も労働生産性の向上や製品の品質改善、そして国の競争力の強化につながることが期待されています。