今年はベトナムの外国投資法が発効してから25周年となります。これを機にベトナムは、外国からの直接投資の状況を点検するとともに、新しい状況に見合うような投資環境の改善に踏み切る必要があるとしています。
この数年、世界金融危機の影響により、ベトナムに対する外国からの直接投資額が減少する傾向にあります。2009年、ベトナムに対する外国からの直接投資額は230億ドルに、前年のわずか30%に減少しました。また、今年はじめからの10ヶ月に、増資プロジェクトと新規投資プロジェクトの投資額はおよそ105億ドルにとどまり、2011年同期と比べ、25%減となっています。客観的原因に加え、不動産分野への大規模な投資プロジェクトなどが激減してきたことやベトナムの環境に害を与えるプロジェクトを削減したことなども原因となっています。他方、この数年、ベトナムは多国籍経済グループの投資プロジェクト、アメリカ、日本、韓国、EU=欧州連合などのハイテク移転プロジェクトの誘致に力を入れています。これらの投資家はハイテクを有するとともに、ベトナムへの投資に際し、裾野産業の発展に寄与するとしています。これまで、ベトナムに投資を行っている多国籍経済グループや企業の中に、世界の大企業500社ランキングに入っている企業があります。これらの企業の投資額はベトナムに対する外国からの投資総額のおよそ20%を占めています。計画投資省の経済専門家ファン・ヒュー・タン(Phan Huu Thang)氏は次のように話しました。(テープ)
「開放政策を開始してから、外国からの直接投資に関する政策の作成に際し、金融、技術分野で潜在力がある投資家の誘致を目的にしています。これにより、ベトナムは外国の資本を吸収すると同時に先進技術を発展事業に活用することができます。これはこの25年実施されてきた政策です。」
タン氏はこのように話しました。
ただ、ベトナムに投資を行う多国籍経済グループがまだ少なく、技術移転につながる大規模な投資プロジェクトも多くなっていません。こうした事情を踏まえ、経済専門家らは、ベトナムが投資環境の改善、投資政策の整備、明確な法律の策定を進める必要があるとの見解を示しました。法律家ファン・ホン・バック氏は次のように語りました。
(テープ)
「投資家は投資を行うに際し、すべての関連の法的手続きを済ませなければなりません。これはまた、統一した法律システムのもとで投資家の資金の安全性を確保するためでもあります。」 バック氏はこのように語りました。
最近、ベトナムは石油ガス、自動車生産、インフラ整備、グリーンテクノロジーなど重要な分野に対するハイテクプロジェクトの誘致を重視しています。また、この10年、アメリカ、日本、韓国などから大手チップセット、電子部品、電子通信メーカーは次々にベトナムに進出しています。
外国からの直接投資を効果的に活用するため、先ごろ、ベトナム政府はベトナムに対する外国からの直接投資管理作業の効果向上計画を承認しました。この計画の目的は投資環境の改善、外資系企業の発展の奨励にあります。また、発生する問題を適宜に解決し、外国からの直接投資を更に誘致するよう、新しい規定を作成する必要があるとしています。これはベトナムのマクロ経済の安定化に寄与することでしょう。