(VOVWORLD) - この2年間、南部メコンデルタの各省は、気候変動対応に関する政府の決議120号を実施し、多くの成果を収めてきました。これは、メコンデルタの各地方や、関連各機関、省庁がメコンデルタの持続可能な発展の促進に力を合わせる基礎となっています。
農業農村開発省によりますと、2018年、メコンデルタの域内総生産は7・8%に達し、この4年間で最高値となっています。また、輸出額は157億ドルを初めて突破しました。特に、農業生産の構造転換が積極的に進められています。
この2年間、価値の高い果物や、農産物の栽培地、および、水産物養殖地の面積は4万ヘクタール増加しました。農民らも自発的に、農産物栽培から畜産にシフトしています。中でも、アヒルとヤギの飼育は効果をあげています。
ティエンザン省ゴコンドン県タンホア村の農家チャン・バン・ホンさんはヤギ畜産により、富を手にしました。現在、ホンさんは、肉用と乳用に200頭のヤギを飼育しています。これにより、ホンさん一家の年収は4億ドン(約200万円)に達しています。ホンさんの話です。
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「当初は、ヤギ飼育で失敗しました。その後、私は、専門家を聞いたり、本を読んだりして、経験を積みました。現在は成果を収めています。長期的にヤギ飼育を行いたいのです。」
一方、気候変動による最も深刻な被害を受けているベンチェ省は政府の決議120号を実施して、コメ栽培面積を1万ヘクタール削減させ、水産物養殖地を3万6000ヘクタールに増しました。また、経済価値の高い果物栽培や、牛飼育なども進めています。
現在、省内の牛の数は20万頭にのぼっています。多くの農家は牛の飼育により、貧困状態から脱出できました。同省チャウタイン県アンディン村の農家フイン・バン・デットさんは次のように話しています。
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「わが村にとって、牛の飼育は最適だと思います。収入はそれほど高くないのですが、安定しています。1頭の牛から1000万ドンの収益がありますよ。」
他方、エビ養殖も気候変動に適応する効果的な生産モデルと評されています。現在、最南端のカマウ省の農民たちは、「順番にコメ栽培とエビ養殖を行う」というモデルを選んでいます。同省トイビン県タンバン村人民委員会のレ・ホアン・フゥオン委員長は次のように明らかにしました。
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「このモデルは持続可能なものといえるでしょう。コメ栽培は、農家に利益をもたらし、地元の食糧安全保障に寄与しながら、エビの餌づくりにも役立ちます。これは気候変動に適応できます。」
メコンデルタは、気候変動により、多大な被害を受けていますが、正しい対応策を行えば、その困難を乗り越え、さらに発展していくと期待されています。