ドゥオンラム村の門
首都ハノイからホン川に沿って西へ30キロメートル離れたところにある古き良き穴場のスポットがあります。それは、ソンタイ町のドゥオンラム(DuongLam)村です。
この村へ足を運ぶとその土地の静かな雰囲気を実感することができます。ドゥオンラム村には現在もなお昔建てられた村の入り口となる門、集会所、お寺、井戸、ガジュマルの木、池などがあり、ベトナム北部農村部の典型的な風景がそのまま残っています。
モンフ集会所
ドゥオンラム村の古さは村の門とモンフ集会所の建築で表われています。モンフ集落の門は、蜂の巣状の穴のあるレンガで建設され、ドーム型の建築を持っています。以前、この村には5つの門がありましたが、現在では一つになってしまった門は1833年に建設されました。ドゥオンラム村の門は、青々とした稲田の中央に位置し、その近くに古いガジュマルの木があります。ドゥオンラム村出身のカメラマンであるグェン・チンさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「長年、故郷を離れた私は、依然として昔のままのドゥオンラム村の自然風景の美しさを実感しています。それはまず、北部平野部の典型的な農村だと思います。その他、ドゥオンラム村は現在、数多くの遺産を保っています。」
一方、1684年に建立されたモンフ集会所は村の真ん中に位置しています。ここは村の守護神を祀る祠であり、集会や祭りが行われる場所となっています。この集会所の木造の床は高く、高床式の建築を模倣されています。集会所の中には、各世代から保たれている多くの貴重な古物が展示されています。
ドゥオンラム村は、ベトナム民族の中に優れた英雄を祀る神社、廟、祠として知られています。中でも、ゴー・クエン王を祀る神社、フン・フン王を祀る神社があります。現地の村人は民族の優れた英雄であったフン・フン 王とゴー・クエン王という2人の王様を輩出した村から出身されたことに誇りを思っています。ゴー・クエン王は8~10世紀にかけて、バクダン河(白藤江)の戦いで、中国からの侵略者南漢軍を撃退した英雄として有名になりまし。この歴史的な戦いは、1000年近いベトナムに対する中国の支配体制は終焉を迎えました。のちに、ゴー・クエンは王位に就いたということです。また、フン・フン王は、791年に、中国からの唐軍を勝利した戦いで功労があった人物でした。これらの王様を祀る神社や廟などはこの村の歴史的伝統を物語る証となっています。カムラム村落に住むフン・カック・タインさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「かつて、フン・フン王は中国の唐の軍との戦いを準備するために、この地で、将軍を集めて、訓練を行っていました。王様が逝去した後に、村人は王様の功労を偲ぶために、神社を建立しました。以前の神社は広くて立派な建築物でした。フランス植民地主義者との抗戦時に破壊されましたが、その後、再建されました。」
ところで、ドゥオンラム村にある際立ったのは古い民家です。現在、村には956軒の古民家があり、ドンサン、モンフ、カムティンなどの村落に集中しています。多くの家は、1649年、1703年、1850年に建設されました。殆どの家は木造建ての家であり、蜂の巣状の穴のあるレンガで建設された門や塀があります。ドンサン村落に住むキエウ・バン・トンさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「私の家は、木造建築です。7部屋ありますが、客室である中央の部屋は祭壇、箪笥、木製の椅子や机が並べられています。この部屋の扉は精細な彫刻を昔のまま持っています。庭には現在でも井戸があります。それらは先祖代々伝わる貴重な遺産なので、保存されるべきです。」
ドゥオンラム村は、2006年5月19日に国家文化歴史遺跡として認定されました。現在、この村は、国内外の観光客を集める観光スポットの一つとなっています。