(VOVWORLD) -イラン政府の高官は、アメリカ、トランプ政権がイランの弾道ミサイル開発に対し、経済制裁を強化していることについて、ミサイル開発は核弾頭を搭載するために設計されておらず、防衛目的だと強調し、アメリカをけん制しました。
ウィンで核合意の履行状況を評価する会合 (写真提供:AFP) |
アメリカのトランプ大統領は2日、ロシアが昨年のアメリカ大統領選に介入したとの疑惑にもとづく対ロシア制裁強化法案に署名するとともに、イランと朝鮮民主主義人民共和国への制裁も含む法案への署名が非公開で行なわれました。この法案は先月、議会の上下両院で圧倒的多数で可決されていました。
アメリカ政権、イランに対する圧力を強化
トランプ政権は先月18日、イランの弾道ミサイル開発を巡り、新たな制裁措置を明らかにしました。18の組織・個人が対象となっています。ドローンや軍事設備の開発などを通して、イランの軍隊であるイスラム革命防衛隊を支援したほか、アメリカや西側のソフトウエアプログラムを組織的に盗んだなどとしています。
また、イランが2015年に欧米など6カ国と結んだ核合意を順守しているとの判断を示す一方、同国が核合意の精神に従っていないと批判し、合意履行を強化すると表明していました。
アメリカ国務省は声明で、中東におけるイランの「悪意のある行為」を深く懸念しているとし、こうした行為により、地域の安定と安全、繁栄を損なっていると指摘しました。具体的には、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラや、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマス、シリアのアサド政権、イエメンのイスラム教シーア派武装組織「フーシ」に対する支援に言及しました。トランプ政権は、核合意の順守状況だけでなく、同地域における行動に関しても対イラン政策を見直しています。
イランの反応
アメリカ大統領が対イラン制裁強化法案に署名した3日後の8月5日、イランのローハーニ大統領はEU外務・安全保障政策のモゲリーニ上級代表と会談し、2015年に結んだ核合意の維持にさらに努力するよう呼びかけました。また、「イランは常に、核合意の実施を遵守しており、相手側がそれに違反しない限り、自分たちの取り決めを履行する」と語りました。
ヴェラーヤティ公益評議会戦略研究所の所長も、5日、テヘランでモゲリーニ上級代表と会談した際、トランプ大統領は、日々、核合意に関して新たな発言を行っているとし、「イランは、核合意について透明に行動してきた。EUやヨーロッパ諸国は、この問題やシリア、イラク、イエメンの危機の解決において、より論理的な政策を取る必要がある」と述べました。
こうした中、イランのザリーフ外務大臣は2日、イランはサウジアラビアの多くの政策に反対しているものの、イランの政策は常に、近隣諸国と良い関係を築くことであり、彼らとの断交を追求していない」と語りました。
ザリーフ大臣はまた、アメリカによる核合意への違反に対するイランの報復措置について、「イランの最初の措置は、相手側による核合意の違反への報復措置に関する承認事項の可決であり、さらに、他の法的かつ政治的な措置も考案されており、相応しい時期に実行されるだろう」としています。
さらにイラン政府の高官は、アメリカ、トランプ政権がイランの弾道ミサイル開発に対し、経済制裁を強化していることについて、ミサイル開発は核弾頭を搭載するために設計されておらず、防衛目的だと強調し、アメリカをけん制しました。