ベトナムの社債市場 復活する見込み

(VOVWORLD) - 先ごろ、ベトナム政府は、私募債に関する政令153号を改正するための政令65号を公表しました。不祥事などにより停滞している社債市場は復活する見込みで、経済成長に貢献すると期待されています。

ベトナムの社債市場は、残高が4年で約5倍増と急成長してきました。残高の対GDP比は、 既にインドネシアやフィリピンを 超えています。私募債が圧倒的に多いのが特徴です。しかし、2022年 3 月以降、証券不祥事が相次いで発覚しており、その中で、国内私募による社債(私募債)にかかる不祥事は、規制の抜け穴を浮き彫りにしました。これにより政令65号が発行されるきっかけとなりました。

政令65号によりますと、私募債の最低額面が従来の10万ドン(約600円)から1億ドン(約60万円)に引き上げられ、また、企業は発行者と社債権者の65%以上が承認した場合に、国内発行の社債の条件を変更することができるとしています。そして、私募債の投資や取引を許可されたプロの証券投資家を特定する方法も追加されており、プロ投資家は資金力と証券に関する専門知識を有すること、ポートフォリオに証券担保ローンや転売を含まない少なくとも20億ドン(約1200万円)相当の上場株式を保有しなくてはならないとしています。これは、社債市場の透明性の向上や投資家のリスクの軽減、社債市場への投資の誘致などを通じて、社債市場の構築と完備を目指します。

専門家によりますと、政令65号により、私募債の発行額が復活し、中長期的に巨額の資金が必要なエネルギーや不動産企業のニーズに応えられるようになります。また、この政令は、来年の半ばまでに私募債がVSD=ベトナム証券保管振替機構に保管されるとともに、証券取引所の私募債取引システムに登録されなければならないと規定しており、これにより、社債市場の健全化に大きな弾みをつけるとしています。

国家証券委員会は今後も、関連省庁や証券会社と連携して、政令65号を効果的かつ早期に展開する方針であるとしています。

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