国家管理から国家統治へ

(VOVWORLD) - 間もなく開催されるベトナム共産党第13回全国代表大会に上程される文献には、「国家統治の効果と質的向上のためのソリューション」という概念が初めて盛り込まれています。これは社会主義の方向に沿った市場経済体制の完備を目指すものですが、国家統治問題が重視されていることを示すものとみられています。

国家統治という概念に関し、学者らは、「政策制定から実施までの全プロセスが国民の参加を必要とし、国民の願望によるものでなければならない」との見解を示しています。国会事務局副長官を務めたグエン・シ・ズン博士は、「『国家管理』と比べ、『国家統治』は幅広い概念であり、国家権力の効果的な行使を目指すものである」と説明し、次のように語りました。

(テープ)

「国家の統治能力を高めるために、複数の原則を順守する必要があります。1つ目は、法の支配を確保すること。2つ目は国家運営の透明性を確保すること。3つ目は役員と機関に対する責任追及制度を確保すること。4つ目は国民の参加を確保することなどです。特に、国民の参加を確保するため、この問題を法律に盛り込み、具体化させる必要があります。特に、国民は全プロセスを監視することです。」

また、学者らは、「世界各国の間には発展程度の格差があるが、その差は国家統治能力によるものである」とも指摘し、日本や、韓国、シンガポールなどを例として取り上げています。これに関し、ブイ・ティ・アン博士は次のように語りました。

(テープ)

「国家統治とは、すべての分野や、全国民、中央から末端組織まですべてのレベルが含まれています。もちろん、ハイレベルは重要性が増します。したがって、人材育成や、才能と道徳を兼ね備えた人物の選出・採用・重用などが重要です。また、幹部の能力を評定するとき、その管理能力は欠かせない要素となります。国家レベルでは、国家統治能力という要素が最も重要になると思います。」

一方、国会財政・予算委員会のレ・タイン・バン常務委員はアン博士の意見に賛同し、「国家統治能力を高めるためには、幹部の能力向上は欠かせないものである」とし、次のように述べています。

(テープ)

「私の考えでは、国家統治を目指し、幹部の能力は最も重要な要素です。幹部は、管理能力や、知恵などが優れたものでなければなりません。2つ目は、あらゆる政策も国民多数の願望によるものでなければならないこと。3つ目は国家統治の対象となる国民と企業に自主権を与え、地方分権を促進することです。」

さらに、「現在、複雑に推移している新型コロナウイルス感染症との闘いはベトナムの国家統治能力を示す証である」との意見も相次いでいます。これに関し、チャン・クオク・フオン計画投資次官は次のように語りました。

(テープ) 

「以前、ベトナム経済の競争力や、規模、対応力は中ぐらいだと評定されていましたが、プラス成長を維持できた2020年を見るなら、その対応力は高いといえます。これは国家統治にとって、貴重な教訓となっています。」

国家運営に関する思考を国家管理から国家統治へとシフトさせることは、法律と政策の制定、あらゆる財源の活用、人材開発などの事業に突破口を切る開くことに役立つと評されています。これにより、全国民の力を国の発展事業に集中させるようになることが期待されています。

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