映画「ベトナムの風に吹かれて」に同行して



初の日越合作映画「ベトナムの風に吹かれて」(大森一樹監督・松坂慶子主演)が12月下旬ベトナム撮影を終えた。映画の原作は小松みゆき「越後のBaちゃんベトナムへ行く」(2007年刊)で文化庁の助成金を得ている。撮影は準備期間を入れて約一か月。

以下、その様子をレポートする。

映画「ベトナムの風に吹かれて」に同行して - ảnh 1
【今回使用されたクラップボード】

11月30日クランクイン。気温29度、暑いが冷房を入れると音響に差し支えるのでスタッフ一同ガマンする。最初はVOV日本語放送から始まる。なぜそうなるかは見てのお楽しみ。

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【 著者と松坂慶子さん、2014年6月】

午後はハノイ駅へ移動。物語の中で親子となる松坂慶子さん、草村礼子さんが登場した。ここではベトナム残留日本兵の孫(藤江れいな)がタインホアの家族を訪ねる列車内シーン。ベトナム鉄道が日本映画に登場するのは初めてでは?駅構内、プラットホーム、どこか懐かしい空気感の中をウチワで風を送る。クランクイン当日は日越スタッフも通訳もベトナム式お弁当も、みんな初めての体験であり手探りの中で終えた。

映画「ベトナムの風に吹かれて」に同行して - ảnh 3
【北部山岳地帯ホアビン省で】

翌12月1日は前日と打って変わって冷気漂う寒い朝。撮影隊は毎朝、7時にホテルを出発したがこの日はホアビン省の山岳地に行くためまだ薄暗い6時半に出発した。機材、音響、カメラ、衣装部など4〜5台のクルマで移動した。バナナ畑の中にある高地一軒家。そこでの撮影には村人が見学に。

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【ムオン族の人々】

こんな感じで一行は毎日ロケバスで青年劇場、カフェ、病院、空港、ホアンキエム湖畔、レーニン公園、最古の仏教寺院・・といったふうにスケジュールに沿って移動した。ときにエキストラの出演のときなど集合写真を撮る場面もあってなごやかに進んだ。そしてベトナム撮影は終盤に近づいて行った。

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【ハノイ市内での撮影】

こうして迎えたベトナムでのクランクアップ。仕事を通して気心知り合ったスタッフ同士、脇を固めた奥田瑛二さん、斉藤洋介さん、吉川晃司さん、その他の俳優さんらとベトナムの空気を吸った。またベトナム側も優秀芸術家、人民芸術家という称号の俳優さんや有名な俳優さんが参加しているので話題になった。このあと1月中旬に新潟撮影が残っているがベトナムでは撮影終了。

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【左から大森 松坂 草村 タットビン氏ら】

来年夏の一般公開が待ち遠しい。
 【日本語課記者】

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