(VOVWORLD) -欧州中央銀行(ECB)の戦いは新たな舞台に移っています。
(写真:AFP/TTXVN) |
2年にわたるインフレとの格闘を経てきたラガルド総裁率いるECBが足元で心配しなければならないのは、弱い経済成長です。12日の理事会で決めたような政策金利引き下げは成長を支える上で効果があります。だが家計収入の大半が貯蓄に回されている現状を踏まえれば、着実な利下げを続けていかない限り、ラガルド氏が期待する「消費主導の景気回復」は実現できません。
ECBは12日に中銀預金金利を3.75%から3.5%に引き下げることを決定しました。これは予想通りで、問題は次の動きです。ラガルド氏は今後の政策金利の経路を示されませんでしたが、経済データからはそれがはっきり分かります。物価上昇率は来年、ECBの目標である2%に収まっていく公算が大きいです。しかし今、ECBは2022年と23年に行った計10回の利上げによってユーロ圏が景気後退に突入してしまうのを確実に防がなければなりません。
成功の道筋は非常に狭いです。第2・四半期のユーロ圏国内総生産(GDP)成長率はわずか0.2%。ECBは消費主導の景気回復によって成長率が来年1.3%、26年は1.5%に高まると予想していますが、現実味は乏しいように見受けられます。ユーロ圏の家計貯蓄率が15.4%という高水準にあるためです。新型コロナウイルスのパンデミック期間の異例な数字を除外すれば、これは少なくとも15年以降で最も高い。米国の7月の家計貯蓄率は2.9%でした。(ロイター)