IAEA 核開発問題でイランに高官らを派遣し協議へ

(NHK) IAEA=国際原子力機関の理事会で、イランが地下の核施設でウランの濃縮活動を開始したことや、申告していない施設から天然ウランが検出された問題が取り上げられ、来週、IAEAの高官らを派遣して、イラン側と協議することを明らかにしました。

ウィーンに本部があるIAEAでは21日、理事会が開かれ、イランの核開発問題などについて協議しました。

この中でIAEAのフェルータ事務局長代行は、イランが今月に入って、中部フォルドゥの地下の核施設で、核合意で禁止されているウランの濃縮活動を開始したことや、プルトニウムの抽出に使用されるおそれがある重水の量が、核合意で制限されている規定を上回ったことを確認したと明らかにしました。

さらにイランがIAEAに申告していない国内の施設から微量の天然ウランが検出された問題で、イラン側からいまだに十分な情報が提供されていないと指摘したうえで、来週、IAEAの高官や専門家チームを派遣し、イラン側と協議する考えを示しました。

フェルータ事務局長代行は記者会見を開き、「時間と、イランの完全な協力が重要になっている」と述べ、イランに速やかに説明責任を果たすよう求めました。

また理事会ではアメリカの大使が「イランはこれまでもわれわれをだましてきた」と非難したほか、EUの代表も強い懸念を示すなど、イランが核開発のレベルを強めていることに懸念の声が一段と高まっています。

 

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