トランプ氏、ウクライナに兵器供与 50日以内の和平なければ対ロ制裁
(VOVWORLD) - トランプ大統領は、ロシアへの制裁について、ロシアから原油などを輸入している第三国に対して「二次制裁」を科す可能性があると表明しました。
2025年7月14日、アメリカ・ワシントンD.C.のホワイトハウスで、NATOのマルク・ルッテ事務総長(左)がアメリカのドナルド・トランプ大統領と会談(写真:REUTERS/Nathan Howard) |
アメリカのトランプ大統領は14日、ホワイトハウスで北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と会談し、ウクライナ情勢をめぐる紛争の中で、NATOを通じて最新鋭の兵器を供与すると発表しました。また、ロシアが50日以内に和平合意に応じなければ、制裁を科す方針も明らかにし、これまでのロシアに対する姿勢を大きく転換させました。
トランプ大統領は、ホワイトハウスの大統領執務室でルッテ事務総長と並んで記者団に応じ、プーチン大統領に対する失望を示した上で、数十億ドル相当の兵器がウクライナに提供されると述べました。「最先端の兵器を製造し、NATOに送る」としたうえで、費用はNATO加盟国が負担するとしています。
供与される兵器には、防空システム「パトリオット」ミサイルのバッテリーを含む一式が含まれており、数日以内に「極めて迅速に」ウクライナに送られる可能性があるとしています。
ウクライナのゼレンスキー大統領はその後、トランプ大統領と電話協議を行ったことを明らかにし、SNS「テレグラム」に「非常に良い対話だった」と投稿しました。また、「殺害を止め、永続的かつ公正な平和を確立するために協力する用意を示したトランプ大統領に謝意を伝えた」と述べました。両者は今後、より頻繁に対話を続け、足並みをそろえることで一致したということです。
一方、トランプ大統領は、ロシアへの制裁について、ロシアから原油などを輸入している第三国に対して「二次制裁」を科す可能性があると表明しました。ロシアは中国やインドなどへの原油輸出で多くの収益を得ているとされており、アメリカがこの制裁を実施すれば、ロシアへの圧力がさらに強まる可能性があります。
トランプ大統領は改めて、プーチン大統領に対して「電話では話しやすいが、会話の後にウクライナを激しく攻撃する」と指摘し、「暗殺者とは呼びたくないが、手強い男だ」と述べました。
ルッテ事務総長は、「自分がプーチン氏の立場にあるなら、50日後に何が計画されているかを知っていれば、ウクライナに関する交渉を真剣に考えるべきだ」と述べ、和平に向けた取り組みを促しました。(ロイター)