パンデミック対策、協調に影 WHO、新型コロナ表明から5年
(VOVWORLD) - 世界では、数千万人が死亡した戦前の「スペイン風邪」以来ともされる感染症の猛威を経験し、各国は「次」に備えて強固な予防体制の確立を目指していますが、交渉は難航しています。
ある研究によると、新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界中で約1800万人が命を失った可能性がある(写真:AP) |
世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症を「パンデミック(世界的大流行)」と初めて表現してから、11日で5年となりました。世界では、数千万人が死亡した戦前の「スペイン風邪」以来ともされる感染症の猛威を経験し、各国は「次」に備えて強固な予防体制の確立を目指していますが、交渉は難航しています。
WHOのテドロス事務局長は2月、感染症に関する新たな国際ルール「パンデミック条約」の交渉会合で、「今年こそ、パンデミックに対し、より安全な世界にする必要がある」と強調しました。加盟国は4月に開かれる会合で意見を調整し、5月の総会での合意を目指しています。
背景には、新型コロナのパンデミックによる苦い経験があります。テドロス事務局長は2020年3月11日、それまでインフルエンザのみに使われていた「パンデミック」という用語を用いて危機的状況を表現し、各国に対応の協力を呼びかけました。
しかし、その後も世界中で混乱が続き、死者数は700万人を超えました。こうした甚大な被害を繰り返さないために、国際社会は病原体情報の迅速な共有や、途上国の対応力強化などを保証するルール作りの必要性で一致しています。(共同通信)