(VOVWORLD) - ベトナム北部を襲った台風3号(アジア名:ヤギ)とそれに伴う豪雨により、深刻な被害が発生しています。農業農村開発省の発表によりますと、9月11日17時30分時点で、179人が死亡、145人が行方不明となっています。
台風被害対策に関する政府の会議 |
特にラオカイ省では155人、カオバン省で52人、イェンバイ省で44人と、北部山岳地域での被害が顕著です。
被災地では多くの建物が損壊し、通信インフラも大きな打撃を受けています。これを受けて、ファム・ミン・チン首相は緊急対応を指示し、各省庁や地方自治体に対し、総力を挙げて救助活動と復旧に当たるよう要請しました。特に、被災者の救助、負傷者の治療、孤立地域への支援物資の輸送などを優先するよう強調しています。
最も被害が深刻なラオカイ省バオイェン県のランヌー村では、約40世帯が土砂崩れに巻き込まれました。現在、600人以上の救助隊が懸命の捜索活動を続けています。バオイェン県党委員会のホアン・クォク・バオ委員長は次のように語りました。
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「現在も地域全体が停電しており、厳しい状況が続いています。しかし、警察や軍隊、地元の民兵組織、そして住民の方々と力を合わせ、懸命に捜索活動を行っています。特に、瓦礫の下に取り残されている可能性のある方々の救出に全力を注いでいます」
大手通信事業者のベトテルが、ランヌー村での救助活動を支援するため、緊急で新たな通信基地局を設置しました。これにより、現地での情報共有や連絡体制の改善が期待されています。
一方、トゥエンクアン省では、大規模な避難作業が行われています。地方当局は、利用可能な人員を総動員し、浸水地域からの住民避難を進めています。トゥエンクアン省イェンソン県ミーバン村の祖国戦線委員会委員長であるファム・ホン・ハイン氏は次のように語りました。
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「まず、高齢者の方々全員を安全な場所へ避難させることができました。次の段階として、SNSを活用した情報発信に力を入れています。祖国戦線や関連団体のFacebookやZaloなどのSNSを通じて、住民の皆さんに警戒を呼びかけています。同時に、具体的な対策方法や、経済的な損失を最小限に抑えるためのアドバイスも提供しています」
他の被災地でも、住民の避難や支援物資の配布が急ピッチで進められています。イェンバイ省では約11000人が復旧作業に動員され、全国各地から慈善団体による支援も届いています。
さらに、海外のベトナム人コミュニティからの支援の動きも活発化しています。在日ベトナム大使館を中心に募金活動が開始され、早くも日本企業からの寄付が寄せられるなど、国を越えた支援の輪が広がっています。