欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長（右）とイギリスのスターマー首相（写真：AA/TTXVN）

欧州委員会は29日、EU＝欧州連合とイギリスが競争法違反に関する調査で協力することで合意したと発表しました。これはイギリスのEU離脱後に締結されたイギリス・EU貿易協力協定を補足するもので、技術的な交渉が妥結しました。

今後、両者はこの分野に特化した個別の協定を結ぶ計画で、欧州委員会やEU加盟各国の競争当局と英国競争・市場局（CMA）が直接協力できる体制が整います。具体的には、情報の共有や調査の効率的な進行を目的とした仕組みを構築する方針です。

EUが競争政策において第3国と協力するのは今回が初めてとなります。欧州委のベステアー競争担当委員は、「今回の合意により、EUとイギリスは標準的かつ透明性の高い枠組みを通じて競争分野での協力を進めていくことが可能となる」と述べました。また、貿易協力協定を最大限に活用することで、最終的には欧州の企業や消費者にも恩恵がもたらされるとしています。

この合意内容はEUとイギリス双方での批准を経て、最終的な協定案としてまとめられる予定です。協定の成立には、EU側では欧州理事会と欧州議会の承認が必要とされます。（NNA EUROPE）