国連安保理でウクライナとロシアが応酬 民間人被害めぐり非難続く
(VOVWORLD) - 国連安全保障理事会は26日、ロシアによるウクライナへの軍事行動に伴う民間人被害について協議する緊急会合を開きました。
2025年3月25日、キーウでの記者会見に臨むウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(写真:Reuters/TTXVN) |
国連人道問題調整室(OCHA)は、2022年2月の紛争開始以降、ウクライナ国内で少なくとも1万2881人の民間人の死亡が確認されたと報告しましたが、ロシアとウクライナは互いを非難し合い、和平に向けた具体的な進展は見られませんでした。
OCHAのムスヤ事務次長補は、死亡者のうち681人が子どもであり、負傷者数は約3万500人に上ると明らかにしました。
ロシアのポリャンスキー国連次席大使は、アメリカのトランプ大統領が進める和平交渉の試みを歓迎する姿勢を示し、「危機の解決に向けた希望が生まれつつある」と述べました。その上で、黒海における安全な航行の確保などについては、制裁の緩和といった条件が満たされることが前提になるとの認識を示し、ウクライナが依然としてエネルギー施設を攻撃していると批判しました。
一方、ウクライナの代表は「重要なのは言葉ではなく行動だ」と強調し、ロシアによる民間人への攻撃を厳しく非難しました。その上で、「一時的に占領されている地域をロシア領と認めることはない」と従来の立場を改めて示しました。(共同通信)