対中100%関税回避、レアアース規制1年延期へ 米中首脳会談で最終決定
(VOVWORLD) - 新華社通信によりますと、何副首相は、米中が合意した内容を共同で実施すべきであると述べ、両国が対等な対話と協議を通じて、互いの懸念に適切に対応する方法を見つけるべきだと指摘しました。
(写真:KEYSTONE/EDA/Martial Trezzini/REUTERS) |
アメリカのベセント財務長官は26日、マレーシアの首都クアラルンプールで行われた米中閣僚級協議の終了後、「非常に実質的な枠組みに到達した」と明らかにし、トランプ大統領が警告していた中国製品に対する100%の追加関税が回避される見通しであると述べました。さらに、中国のレアアース輸出規制が1年間延期されることになると説明しました。
ベセント長官は、この合意を踏まえ、トランプ大統領と中国の習近平国家主席が30日に予定されている首脳会談で、さらなる貿易協力について協議することができるとの考えを示しました。
NBCのインタビューで、対中追加関税の発動が予想されるかと問われると、「いいえ、そうは思わない。また、中国が言及していたレアアース(希土類)輸出規制についても、何らかの猶予が得られると予想している」と述べ、最終的な条件は両首脳が決定することになると説明しました。
今回の協議には、アメリカ側からベセント財務長官とグリア通商代表部(USTR)代表、中国側から何立峰副首相らが出席し、25日から実施されました。初日の討議を終えたあと、アメリカ財務省の報道官は「非常に建設的だった」とコメントしました。
ベセント長官は、両国の関税をめぐる休戦措置が11月10日以降も延長され、中国側がアメリカ産大豆の大規模購入を再開するとの見方を示しました。ABCの番組では、「合意内容が公表されれば、アメリカの大豆農家は今シーズンと今後数年間の見通しについて非常に満足するだろう」と述べました。
また、グリア代表はFOXニュースの番組で、双方が一部の懲罰的措置を一時停止することで合意し、「アメリカが中国からのレアアースへのアクセスを拡大し、アメリカからの販売によって貿易赤字を相殺できる道筋を見いだした」と説明しました。
一方、中国側で協議に参加した李成鋼国際貿易交渉代表は、アメリカ側と暫定的な合意に達したとし、それぞれが国内の承認手続きに入ると述べましたが、具体的な内容については明らかにしませんでした。
「アメリカの立場は強硬だが、中国は自国の利益と権利を断固として守ってきた」と述べたうえで、「両国は非常に集中的な協議を行い、懸念に対処するための解決策や取り決めを模索する建設的な意見交換を行った」と語りました。
新華社通信によりますと、何副首相は、米中が合意した内容を共同で実施すべきであると述べ、両国が対等な対話と協議を通じて、互いの懸念に適切に対応する方法を見つけるべきだと指摘しました。
トランプ大統領は26日にマレーシアに到着し、閣僚協議の終了後、「中国と合意すると思う」と述べ、前向きな姿勢を示しました。
米中の当局者によりますと、今回の協議ではレアアースのほか、貿易拡大、合成麻薬フェンタニルの取り締まり、アメリカの入港料、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のアメリカ事業の所有権移管などについても話し合われました。
ベセント長官はNBCの番組で、TikTokをめぐって双方が取引の詳細を詰め、トランプ大統領と習主席が韓国で「取引を完了」できるよう準備を進めていると述べました。
トランプ大統領は、今後、習主席と中国およびアメリカで会談する可能性を示唆し、「われわれは会うことに合意した。今後、中国で彼らと会い、アメリカでもワシントンかマールアラーゴで会う予定だ」と述べました。