日本の2月貿易収支、2カ月ぶり黒字 輸出は2月として過去最高
(VOVWORLD) - 財務省の担当者によりますと、対中輸出は春節(旧正月)の時期に減少する傾向があるため、今年は春節が1月に移動した影響もあったとみられます。
日本の財務省が19日に発表した2月の貿易統計速報によりますと、貿易収支は5845億円の黒字となり、2カ月ぶりに黒字となりました。輸出は、アメリカやアジア向けの自動車などが牽引し、前年同月比11.4%増の9兆1911億円と、2月として過去最高を記録しました。
黒字幅は、ロイターがまとめた市場予想(7228億円)を下回りました。
輸出は、アメリカ、中国、アジア向けがそれぞれ2月として過去最高を記録しました。自動車に加え、アジア向けの半導体製造装置や電子部品への需要が堅調でした。また、対米貿易黒字は9188億円と、2月として過去最大となりました。
農林中金総合研究所の南武志理事研究員は「アメリカ向けの自動車輸出は堅調に推移している。自動車は前倒しで生産されることが少ないため、トランプ関税前の駆け込み輸出ではなく、関税の影響はそれほど出ていない」と分析しました。アメリカのトランプ大統領は、貿易赤字削減を目的に、中国など貿易相手国に対して追加関税を打ち出しており、自動車関税の導入も計画しています。
中国向けの輸出は14.1%増の1兆5382億円となり、3カ月ぶりにプラスとなりました。財務省の担当者によりますと、対中輸出は春節(旧正月)の時期に減少する傾向があるため、今年は春節が1月に移動した影響もあったとみられます。
南氏は、中国当局による景気刺激策により、中国経済の減速ペースが落ち着いてきたことも背景にあると指摘しました。
一方、2月の輸入は前年同月比0.7%減の8兆6066億円となり、3カ月ぶりにマイナスとなりました。原油や石炭、非鉄金属鉱などの資源価格が落ち着いたことが影響し、前年を下回りました。
2月の為替レート(税関長公示レートの平均値)は1ドル=154.61円と、前年同月比4.3%の円安となりました。(ロイター)